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髪と血液の関係
昔から髪は「血余(けつよ)」と言い、血液の一部であると考えられています。
この場合の「血」とは、単に血液のことではなく、血液が運ぶ栄養を指しています。
髪は「血の余り」
体に栄養が行き届いていれば、美しくしっかりとした髪が維持できているということです。
貧血などで血液が不足すると、体の末端である髪の毛にまで血液をまわす余裕がなくなり、髪は弱ってしまいます。
また血が汚れていても髪質の低下につながります。
それだけ血液と髪の関係は深いのです。
鉄欠乏性貧血とは?
貧血は、血液中のヘモグロビンの量が少なくなることです。
ヘモグロビンとは赤血球中のヘムという色素とグロビンというタンパク質から出来ています。
ヘモグロビンは酸素とくっつき全身に酸素を運び、代わりに二酸化炭素を受け取って肺まで運んで放出し、再び酸素とくっついて体全体に運ぶという重要な役割をしています。
しかしこのヘモグロビンの量が減ってしまうと、体が酸欠状態になり、めまいや動悸、息切れなどの貧血の症状を起こします。
ヘモグロビンの主原料は鉄分です。
鉄欠乏性貧血は、この鉄分が不足し、へもグロビンの合成能力が低下するため起こります。
男女問わず、また年齢を問わず鉄分が不足すると貧血になります。
女性は特に生理や出産など体の変化が目まぐるしく、貧血になりやすいです。
貧血と白髪の関係
上記のように人間の身体は、酸欠状態になると、まず先に生命の維持に必要な場所に酸素や栄養を運ぼうとします。
なので身体の末端である髪の毛や爪などは、酸素や栄養を運ぶのが遅れたり、また運ぶ量も減ったりしてしまうのです。
貧血の人の爪が白っぽいのを見たことがありませんか?
ヘモグロビンの減少により、白っぽく見えてしまうのです。
髪の毛は、爪のように目には見えませんが同じことが起こっています。
髪への酸素が行き届かなくなってしまうと、髪の毛を生成するメラノサイトやメラニン色素を生成する酵素の元へ酸素や栄養素が行き届かなくなってしまうため、髪にうまく着色ができず、白髪のまま伸びていってしまう可能性が高くなります。
白髪にはさまざまな原因が隠されていたり、混じっていたりしますが、もしその白髪の原因が貧血だけからくるものだとしたら、貧血が改善されれば、白髪も改善される可能性があります。
白髪のメカニズム「なぜ白髪になるの?」
実は髪の毛は、もともとみんな白髪です。
生まれたての髪には色がついていないため、白髪なのです。
髪の毛根にあるメラノサイトという細胞の「色づけ工場」的な場所で、せっせと黒く着色されています。
しかし何らかの原因で、納品されるはずの色素や栄養素が送られてこなかったり、働き手がケガを負ったり、疲れが出て働けなくなってしまうと、髪への着色が遅れたりできなくなったりして、白いまま伸びていってしまう・・・と、そんな感じです。
納品されるはずの色素というのは「メラニン色素」と言われているものです。
メラニン色素には「ユーメラニン(黒色色素)」と「フェオメラニン(黄色色素)」があり、その配合割合の違いにより、人それぞれ髪の色や肌の色が決まっていきます。
メラニン色素はメラノサイト内の同じ工場で作られています。
メラノサイト細胞は血流が悪くなると活動を弱めてしまうため、最終的には工場閉鎖の危機にさらされてしまいます。
鉄分を摂取するには
鉄分は身体に吸収されにくく、普段の食事から摂取されにくい栄養素です。
肉や魚介類に含まれる「ヘム鉄」と、緑黄色野菜や海藻類、穀物などに含まれる「非ヘム鉄」があります。
「非ヘム鉄」は2~5%の吸収率しかありませんが、「ヘム鉄」は10~20%の吸収率と高いため、貧血予防には「ヘム鉄」の摂取がいいと言われています。
また、「ビタミンC]を一緒に摂取した方が、鉄分の吸収率は上がります。
鉄だけ大量に摂取すると、亜鉛や銅の吸収が妨げられてしまいます。
鉄を運んでくれるタンパク質に鉄がくっつくためには銅が必要です。
亜鉛はヘモグロビンの合成にも関係しているので、これらのミネラルは一緒に摂った方がいいでしょう。
鉄分不足のサイン
●疲労感
●倦怠感
●めまい
●動悸・息切れ
●スプーン爪や爪の白さ
●口角炎
●下まぶたの裏側(結膜)が白っぽい
など、白髪が増えたな?と感じる他に、このような症状があったら、それは鉄分が不足しているサインかもしれません。
隠れ貧血がある?!
白髪が増えて来て、「貧血かも?」と思ったら、病院を受診してください。
病院では血液検査を行います。
赤血球の数や大きさ、ヘモグロビン濃度、網状赤血球などを測定し、血清中の鉄(血清鉄)とな体内に貯蔵されている鉄の量を比較するフェリチン値の測定を行います。
フェリチンとは人間の身体を構成する水溶性のタンパク質の一種です。
鉄を貯蔵することができるため、「貯蔵鉄」とも呼ばれています。
このフェリチンが不足することにより、鉄分不足に陥っている場合、通常の鉄欠乏性貧血の検査では見逃される場合があります。
体内の鉄はまずこのフェリチンから使われていき、減少していきます。
そしてなくなると、血液中の鉄が使われます。
なのでフェリチンが使われ減少しているだけの段階では、血液検査をしてもヘモグロビン値は異常を示さないため、「隠れ貧血」の可能性があるため、フェリチン値を測定してもらう必要があります。
貧血改善は白髪の改善にもつながるかも?!
貧血傾向の方は、腎の衰えも考えられます。
「何首烏」などの漢方薬は腎を強め、造血させる効果があるようです。
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食事ではなかなか補えない鉄分ですが、ミネラルやビタミンCと一緒に、摂取するよう心がけるか、サプリメントで摂取されるのもいいでしょう。
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バランスの悪い食事や夜更かし、ストレス、喫煙などの生活習慣を正せば、コシのあるしっかりとした黒い髪がよみがえってくるかもしれません。