授乳中の白髪染めは子供への影響があるって本当?
ウソとも本当ともさまざまな議論が囁かれている「経皮毒」。
昔から、「妊娠中は髪を染めてはいけない」とか、「授乳中は母乳に悪い成分が分泌されてしまう」というウワサも流れていますが実際のところはどうなのでしょう?
目次
【経皮毒】とは?
「経皮毒(けいひどく)」という言葉を聞いたことはありますか?
皮膚を通じて体内に入り込んでしまう毒のことです。
2005年「皮膚からあなたの体は冒されている!経皮毒」(著;竹内久米司、稲津教久)
という書籍が出版されて以降「経皮毒」という言葉が世間に知れ渡りました。
実際「経皮毒」という言葉はなく、この著からの造語のようです。
口から摂取したほとんどの化学物質は、肝臓といったろ過器官を通り、分解、排出されます。
しかし経皮吸収したものは、ろ過器官を通らないため、そのまま皮下脂肪や脂肪の塊である脳、そして女性であれば子宮、男性であれば前立腺などに蓄積されやすいと言われています。
経皮毒と関連があるとされているものには、肌荒れや湿疹などのアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚に関する病気や、
認知症やアルツハイマーなど脳に関する病気、そして子宮内膜症や子宮がん、乳がんなどの婦人科系に関する病気などが関係しているとも言われています。
ヘアカラー剤に含まれている「ジアミン」や「過酸化水素水」など。
シャンプー剤に含まれている「ラウリル硫酸Na」や「ラウレス硫酸Na」など。
他にもネイル剤に含まれている「アセトン」。
歯磨き粉に含まれている「ラウリル硫酸Na」などが経皮毒を持つ化学物質と言われています。
羊水からシャンプーの匂いが?!
胎内記憶研究の第一人者である池川明先生は、このような講演をされています。
これまでたくさんの赤ちゃんを取り上げてこられた中で、あるお一人の方の出産時に、羊水の匂いが普通と違いシャンプーのような匂いの方がいらっしゃったと言います。
出産後その方にお話しを伺うと、〇〇堂のT〇〇〇〇〇Iを使い、毎日朝晩洗っていたのだそうです。
そのシャンプーは界面活性剤の種類が多いことで知られていて5種類くらい入っているからではないか?との見解。
この先生の他にも講演をしていると数名の先生から、やはり羊水から匂いがしたとおっしゃる方がいらっしゃったようです。
そもそも羊水とは妊娠16週当たりまでは、お母さんの血液中の水分、16週を超えたあたりからは真羊水と言って99%は水(胎児が排泄する尿)と言われています。
その羊水が匂うということは、すでに胎児にかなりの影響があると思われますが、本当のところはどうなのでしょうか?
実際に私自身出産の経験はしていますが、そのような匂いを感じたわけではありませんし、出産時は必死なため、匂いを感じ取っている余裕もないと思いますが、かつて1度も誰からもそのような話は聞いたことがありません。
毛穴や汗腺からの吸収
経皮吸収されるには、ある条件が必要だと言われています。
分子量の大きさが、毛穴や汗腺からの場合1000以下、細胞間や細胞内からの場合は500以下ではないと入り込むことが出来ません。
また角質層が薄い部位ほど侵入しやすくなり、年代でも吸収率には差があります。
子供や高齢者に比べると成人は吸収率が低いのです。
また人体の脂に溶けやすいと言われている脂溶性物質でないと、経皮吸収はしにくいと言われています。
シャンプー剤などに使用されている溶解剤の「プロピレングリコール(PG)]などは分子量が500以下のため、経皮吸収されやすいと言われています。
が、シャンプーの匂いはそのような成分から香るのではなく、香料の匂いではないでしょうか?
これって【経皮毒】?
●「茶のしずく」の小麦粉アレルギー
一時、経皮毒ではないかと話題に上がった「茶のしずく」の小麦アレルギー。
これは石鹸に含まれていた「加水分解コムギタンパク」が皮膚を通じてアレルギーを発症したと言われていました。
しかし実に多くの化粧品類でも「加水分解コムギタンパク」が使用されていますが、そのアレルギー報告があるのは「茶のしずく」のみです。
ではなぜ「茶のしずく」のみがこのようなアレルギー症状を発症してしまったのでしょう?
実は「茶のしずく」では石鹸の粘性を高めるために分子量の大きい「加水分解コムギタンパク」を使用していたために、体内の抗体が悪い菌と誤解し、攻撃してしまったために小麦アレルギーを発症してしまったということです。
加えて顔にはバリア機能の高い皮膚だけではなく、鼻や目などのバリア機能の弱い粘膜があるため、毎日の繰り返される洗顔により作用してしまった、というのが本当のところのようです。
なので、通常の経皮毒と言われているものとはちょっと事情が異なるようです。
●ステロイド剤による免疫不全
ステロイド剤は強い経皮吸収性があるため使いすぎると免疫を司っている「副腎皮質」に影響し、免疫不全などの副作用が出ることがあります。
これは皮膚内に成分を届けるために計算されて作られている「医薬品」であるため、皮膚内に浸透して経皮吸収が可能になります。
これも使用のし過ぎによるもので、通常はその成分により症状を改善するためのものなので「経皮毒」というよりは使い過ぎという「行為」によるものではないでしょうか?
皮膚にはバリア機能がある!
私達の健康な皮膚には「バリア機能」があります。
さらに「免疫機能」がある中、そういった化学物質は皮膚内に吸収されることができるのでしょうか?
皮膚は基本的に何かを吸収するようには出来てはいません。
しかし次のようなある条件を満たせば、肌バリアを壊して内部に侵入できることがあります。
●長時間の塗布
●適度な脂溶性
●分子量が500以下
これらの条件を満たし、尚且つ経皮吸収されることを目的として作られている「経皮吸収型製剤」などの医薬品なら、皮膚内に入り込むことができます。
例えばニコパッチなどの禁煙補助具や、ホクナリンテープのような喘息治療薬がそうです。
その他シャンプー剤などに含まれる「界面活性剤」なども、洗浄成分が強く肌のバリア機能を破壊します。
そのため皮膚内に入り込むことができますが、肌の奥まで浸透し、血液を通って全身に巡ってしまうなんていうことはありません。
同じくヘアカラー剤に含まれる「ジアミン(パラフェニレンジアミン、パラトルエンジアミン、硫酸トルエンー2.5―ジアミンなど)」もまた同じことで、肌のバリア機能や免疫機能が落ちていると、頭皮にアレルギー反応を起こしかゆみや炎症を起こしてしまう場合もありますが、経皮毒と言われているように肌の奥まで浸透し、血液を通って全身を巡ってしまうということはありません。
科学的根拠や検証データもないことに加え、実際にヘアカラーなどの経皮毒の原因により子供に害が出てしまったというような実例は挙げられていないのです。
妊娠中や授乳中気をつけたいこと
ではなぜ、「妊娠中や授乳中のヘアカラーやパーマはしてはいけない」と言われてきたのでしょう?
それは、次の2つの理由があります。
① 製品を売り込むためのアピール。
「経皮毒って知っていますか?
アレルギーやガン、子供にも奇形やアトピーになる可能性があるそうです!
この製品は安全な成分のみを使用し~」
というように、「経皮毒」という言葉を使って自社製品をアピールするというマルチ商法の勧誘文句に使っている場合があること。
<業務停止命令>
平成20年2月20日、経済産業省は、経皮毒という用語を用いて他社製品の不安をあおり自社商品購入の勧誘を行っていたニューウエイズの事業者に対して、特定商取引法第34条第1項第1号(商品についての不実告知)を適用し、業務停止命令を出した。経済産業省が発表した文書のなかで、当該部分は以下の通りである[2]。
4. 行政処分の原因となる事実
(2) 商品についての不実告知(特定商取引法第34条第1項第1号)
同社の勧誘者は、他社の製品は有害で同社の商品のみが安全であるという事実がないにもかかわらず、「経皮毒という言葉を知っているか。皮膚を通じて体内にたまる毒のことで、市販の台所用洗剤に含まれている。」と告げたり、経皮毒の健康被害について説明するビデオやDVDを見せたり、「一般に市販されている洗剤メーカーなどの商品を使っていると、将来私たちは癌になる。ニューウエイズの商品はすべてナチュラル成分でできていて、化学物質を使っていない。」、「ニューウエイズの商品でアトピーが治る。」と告げたりするなど商品の品質、効能について不実のことを告げて勧誘を行っていた。引用:Wikipedia
② 妊娠中や授乳中は体質が変わっている
ホルモンバランスも崩れ、白髪や脱毛に加え、肌が敏感になっていることから頭皮トラブルも起こしやすくなっています。
子供に影響がある、というわけではなく、お母さん自身に影響がある場合があるからです。
大事な赤ちゃんという宝物を授かって、メンタル的にもピリピリしやすい時です。
人を産んで育てるというのは体力的にも大変ですよね。
そんな時に自分のことまでかまっていられないのが現状ではないでしょうか?
そんな中、頭皮トラブルまで起こしては余計な心配まで増えてしまいます。
髪には排泄機能がある!
人間には尿や便、汗などに加え、毎日伸びる髪の毛からも有害物質は排泄されています。
そのため髪の量の多い人に比べ、薄毛の人は有害物質を排泄する機能は落ちると言われています。
口から取り入れる栄養素の中には、カルシウムや鉄分、ナトリウム、マグネシウムなどの必要な栄養素もありますが、水銀やカドミウム、ヒ素などの有害な金属もあり、髪の毛はそれらも体外へと排泄してくれているのです。
母乳には大事な栄養素がたっぷり!
母乳は「血液」から出来ています。
乳腺の周りには毛細血管が集まっていて、そこから血液(タンパク質などの栄養分と白血球のみ)を取り込んでいるため、赤血球が入っていない母乳は赤くはありません。
血液から出来ていると聞くと、余計心配に感じるかもしれませんが、前述したようにヘアカラー剤に含まれる化学物質は肌のバリア機能があるため肌の奥には浸透せず、当然血液にも混じることはありません。
免疫グロブリンという免疫物質が含まれているので、免疫力の備わっていない赤ちゃんにとって母乳は大事な大事な栄養源なのです。
「ヘアカラーをしているから、母乳を上げるのが怖い」
そんな風には考えなくて大丈夫です。
どうしても心配な場合は
「ジアミン」を含まないヘアカラー剤やヘアマニキュアを使用してください。
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セルフカラーの場合は頭皮になるべくつけないように塗布すれば大丈夫です。
もし仮にですが、実際に「経皮毒」と言われているものがあったとしても、それは髪から入り込んでいるわけではなく、頭皮から侵入していることになります。
なので、頭皮にさえつけなければまったく問題はないと言えます。
美容院に行かれる際も、美容師さんに「授乳中なので心配なので」と伝えれば、薬剤を頭皮に優しいものに変えてくれたり、頭皮につけないように塗布してくれたりと対処してくれるので安心してオシャレを楽しんでください。