生後2~3ヶ月頃から気になる赤ちゃんの抜け毛。
「何かの病気のサインでは?」
そう考えるママも多いようですが、実は赤ちゃんの抜け毛は珍しいことではありません。
急に抜けてしまうこのような赤ちゃんの抜け毛を「新生児脱毛症」と言います。
ヘアサイクルが整う生後半年頃まで起こることがある脱毛です。
目次
赤ちゃんの抜け毛の原因は?
①赤ちゃんの髪の毛は「産毛」
大人と違って赤ちゃんの髪の毛は、細くて柔らかいですよね。
これは普通の髪の毛ではなく「産毛(うぶげ)」で出来ています。
大人でも特に女性の髪の生え際などに生えている、細くてか弱い毛が、それに当たります。
赤ちゃんはママのお腹の中で「胎脂」というクリームに包まれています。
これは、赤ちゃんの皮膚細胞などを守ってくれる大事な脂であるため、その胎脂が剥がれないように絡めつないでおく働きをしてくれる「胎毛」が生えています。
胎毛は、それだけではなく、様々な刺激から赤ちゃんの皮膚を守る働きもしてくれています。
妊娠後期には、赤ちゃんの肌も強くなっていくため、徐々に胎毛も薄くなっていきますが、出産後も「産毛」となって残るのです。
②ヘアサイクルの短さ
髪の毛には「ヘアサイクル」というものがあります。
ずっと生え続けているわけではなく「生えて→成長して→抜けていく」を繰り返しています。
そのサイクルは大人の男性で3~5年、女性で4~6年と言われています。
しかし、赤ちゃんの髪の毛はまだ産毛であり、約半年ほどでやっとヘアサイクルができます。
最初のうちはヘアサイクルも短く、抜け変わりも激しいため抜け毛が目立ちますが、徐々にしっかりとした強く太い大人の髪へと生まれ変わっていくため、心配の必要はありません。
乳幼児後頭部脱毛
赤ちゃんは生後4~5ヶ月頃まではうまく寝返りが打てず、仰向けに寝ている事が多いため、枕にあたっている後頭部が擦れるために薄くなってしまうことがあります。
これを「乳幼児後頭部脱毛」と言います。
新生児生理的脱毛と重なるため余計後頭部が薄くなり、心配になるママも多いと思いますが、寝返りをうつようになるまではどんな赤ちゃんにもよく見られる現象なので、心配の必要はありません。
抜毛症
関連記事:髪を抜くのをやめられない!それは【抜毛症】かもしれません
赤ちゃんの抜毛症は、大人の抜毛症とは違います。
赤ちゃんには「ハンドリガード」「フットリガード」と呼ばれているものがあります。
それはどんなものかと言うと、自分の手や足をじっと見つめ、自分に手足があること、そして自分の意志で手足が動かせることなどを発見するようになります。
それにより、物をつかんで口に入れたり、いろいろなものを触ったり…。
その行為の一つに、抜けやすい髪の毛を掴んで抜いてしまうことで抜毛症が起こることがあります。
<対処法>
髪を抜きにくいように赤ちゃん用のミトン(手袋)をつけるなどで対処されるといいのではないでしょうか?
爪で引っかいたりする場合にも傷つき予防にもなります。
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先天性乏毛症・無毛症
ほとんどが心配のない赤ちゃんの抜け毛ですが、これらの他に急に抜けてしまう脱毛には赤ちゃんの病気のサインが隠されている場合もあります。
出典:All About
生まれつき頭髪や体毛の量が少なかったり、一部または全く毛が生えてこない、また生まれた時には毛が生えていたのに生後1~2年で抜け落ちて生えてこないというような遺伝性の疾患です。
日本では1万人~2万人に1人の割合の方が、この乏毛症を患っている方がいると言われています。
乏毛症は無毛症の一種で、以前TVドラマ「無痛」の中で中村蒼さんが、この無毛症の患者を演じていたのが印象に残っている方も多いのではないでしょうか?
無毛症には生まれつき毛根が存在しないため、大人になっても毛が生えてくることはありません。
<対処法>
出来るだけ早急に皮膚科や小児科の受診をしてください。
頭髪の移植により改善できる場合もあります。
改善の見込みがない場合、医療用のウィッグの使用をおススメします。
現在さまざまな団体や賛同される美容院で、「ヘアドネーション」(先天性無毛症や小児がんなど、何らかのケガや病気により髪を失った子供のために髪を寄付する活動)が行われています。
脂腺母斑
先天的なもので、赤ちゃんの頭皮に黄色っぽい母斑(あざ)のようなものが出来ているのをお母さんが気づくことでわかることが多いようです。
赤ちゃんの髪はまばらなため、気づきにくいようですが、あざの部分は毛が生えていないため、無毛によっても気づくことがあるようです。
関連記事:赤ちゃんの頭皮に黄色いあざ【脂腺母斑(しせんぼはん)】原因と対処法は?
<対処法>
脂腺母斑に気がついたらできるだけ小さいうちに手術で取った方がいいでしょう。
思春期になると平坦だったあざが隆起します。
頭皮に黄色いものが盛り上がってついていると、昆虫の虫でもついているかのように見えるため思春期の子供にとっては辛いところではないでしょうか?
いざ、手術して取ろうとしても大きくなってからでは頭も大きく、頭皮も厚くなっているため傷痕が目立ちやすくなります。
30歳以上になると約2割の人が基底細胞ガンという皮膚ガンになる場合があります。
なので、頭皮も薄くて柔らかく傷痕も目立ちにくいため、子供のうち(医療費が無料のうち)に手術で取られることをおススメします。
まずは、赤ちゃんの頭皮に黄色いあざや脱毛班をみかけたら、医師へご相談されることをおススメします。
ごくまれにこのような病気が隠されている場合もありますが、そのほとんどは心配の必要のない、新生児生理的脱毛からくる脱毛の場合が多いです。
心配のし過ぎもよくありませんが、よほど心配な場合は新生児検診や小児科で医師にご相談ください。