「女性なのに口ヒゲやアゴヒゲが生えて来て剃らずにいられない~」
「手や足、ビキニラインなども剃っているのでジョリジョリする」
このように女性なのにヒゲや体毛が濃いという「ヒゲジョ(ヒゲ女子)」症状は、もしかすると病気によるものかもしれません。
目次
原因1:「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」
歌手の絢香さんが患ったことで一時期この病名が話題になりましたよね。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが出すぎてしまい、それにより甲状腺の腫れや頻脈、眼球突出などさまざまな症状が出現する病気です。
女性に多く10~20人に1人程度の割合で発症すると言われている病気です。
甲状腺ホルモンのバランスが崩れると毛周期が変化し、体毛(ヒゲ)が濃くなるなどの症状が現れる方がいます。
そのため、脱毛サロンに行っても甲状腺の病気を抱えている場合、施術を受けられない可能性もあるようなので、カウンセリング時によくご相談をされた方がいいようです。
原因2:「多嚢胞性卵巣症候群」
多嚢胞性卵巣症候群(PCO)とは卵胞が卵巣の中にたくさんできてしまい、ある程度の大きさにはなるものの、排卵がおこりにくくなってしまうという病気です。
この病気になると
●排卵障害による月経不順や無月経が起こる
●肥満に伴う体脂肪に男性ホルモンやエストロゲンがたくさん蓄えられるため、太りやすくなってしまう
●黄体ホルモン分泌不全により月経過多や出血がとまらなくなるなどの症状が起こる
●不妊
の他、「男性化」が起こると言われています。
卵胞の中で男性ホルモン(テストステロン)が作られるため、血液中の男性ホルモンが増加してしまいます。
すると
●多毛
●ニキビが増える
●低音性
などの男性化が起こると言われています。
こういった症状は多嚢胞性卵巣症候群の他、卵巣腫瘍などの卵巣の病気でも起こる可能性があります。
原因3:「クッシング症候群」
副腎皮質で作られるコルチゾール(副腎皮質ステロイドホルモン)が増えすぎるために起こる病気です。
高血圧や糖尿病、骨粗鬆症、感染症など、さまざまな病気を引き起こします。
脳下垂体や副腎皮質、肺、膵臓などに腫瘍ができている場合、このような症状が出る場合があります。
その中でも特に下垂体の腫瘍が原因の場合を「クッシング病」と呼び、区別されています。
最も特徴的な症状は、手足が細くなってもおなかだけがポッコリ太り、顔はむくみ、赤ら顔になることです。
また、お腹や太ももに赤紫色の皮膚の亀裂が生じることがあり、あざができやすくなります。
顔にはにきびが目立ち、男性では性欲の減退やインポテンツ、女性では月経の異常やヒゲが生えるなどの男性化が起こると言われています。
原因4:「多毛症」
「多毛症」とは、軟毛(色が薄く細く柔らかい毛)が硬毛(色が黒く硬く太い毛)に変化することであり、決して毛の数が増えるわけではありません。
男性ホルモン(テストステロン、DHEAなどのアンドロゲン)が過剰に働くために女性に男性のような硬毛が生えてきます。
女性の場合は男性ホルモンは卵巣と副腎で作られるので、上記ような卵巣あるいは副腎の疾患で多毛症になります。
その他、薬剤により多毛になることがあります。
副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬のシクロスポリンなどが、多毛の原因になると言われています。
ステロイド外用薬を多用すると、外用した部位が多毛になります。
その他の原因
●睡眠不足(エストロゲンの分泌が低下する)
●ホルモンのバランスが崩れる(女性ホルモンの低下、男性ホルモンの分泌増量など)
●食生活の乱れ(肉食中心により、過酸化脂質などの毒素が体内で生成され、毒素排出が活発になり毛穴が開くため体毛が濃くなる)
●アルコールの飲みすぎ(アルコールは女性ホルモンのバランスを乱し、前頭連合野の麻痺により男性ホルモン(テストステロン)の分泌が抑えられなくなる)
●体の冷え(体の冷えもホルモンバランスを乱す原因の1つです。自律神経の乱れから末梢血行障害が起こり冷えを生じます)
●不規則な生活やストレス(自律神経の乱れを起こします)
このように何らかの病気ではなくても、ホルモンバランスの乱れなどにより体毛(ヒゲ)が濃くなることがあります。
が、病気が疑わしい場合は、早急に病院を受診し、血液検査などを受けた方がいいでしょう。