頭から流れ落ちる大量の汗。
これは「局部多汗症」の1つ「頭部多汗症」かもしれません。
目次
頭部多汗症とは?
頭皮やうなじなどから大量の汗が出てしまう病気です。
「毎日洗っているのに髪が濡れているように見える」
「顔や首筋を伝って背中まで汗が流れ落ちる」
といった方はこの病気を疑ってもいいかもしれません。
現在、日本人の7人に1人が多汗症だと言われています。
頭皮多汗症は他の局部多汗症同様、はっきりした原因が解明されていません。
が、今のところ何かしらの原因により発汗を促す交換神経の活動が強くなりすぎることが主な要因ではないかと考えられます。
よく手のひらに汗を大量にかく「手掌多汗症」などは、治療法として発汗を促している交感神経を手術により遮断するという方法で治療が行われます。
ですが頭皮多汗症の場合それができず、完治に導く方法がいまだ見つかっていません。
精神性発汗
緊張したり興奮したりすることで起こる精神性発汗の場合、汗がでることでまた周囲の目を気にし、余計汗が出てしまうという悪循環のスパイラルに陥ってしまいます。
また汗をかくことで、雑菌が繁殖し、臭いを伴ってしまうこともあり、それを気にしてさらに精神的に不安に陥り汗に繋がってしまう場合もあります。
このような精神面からくる発汗は、精神安定剤の服用や自律神経を整える方法で改善してくる場合があります。
多汗症が関係しているのは「エクリン汗腺」
汗が出る場所には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」があります。
しかし頭皮には「アポクリン汗腺」はありません。
頭部多汗症による汗は「エクリン汗腺」から出ているということになります。
エクリン汗腺は体温の調節をするために全身の皮膚に存在していて、緊張したり精神的ストレスを抑えたり、また辛いものなどを食べた時など交換神経が刺激されて発汗しやすくなります。
関連記事:頭皮の臭い
エクリン汗腺から出る汗は「臭わない汗」と言われています。
99%が水分で、残り1%は塩分、タンパク質、乳酸です。
そのまま放っておいてしまうと、その1%のタンパク質や乳酸が発酵して、あの独特の酸っぱいニオイを放ってしまいますが、本来の汗自体にはニオイがありません。
頭部多汗症には何かの病気が隠れているかも?!
●結核やガンなど
発熱性の病気の場合、体温が上がり、上がってしまう体温を下げようとするため発汗がおこります。
●脳梗塞やバセドー病など
脳の神経がダメージを受けると、交換神経もダメージを受けることがあります。
●薬の副作用など
薬などの副作用により、交換神経が刺激され、症状が現れることがあります。
頭部の汗を止める薬【プロバンサイン】
抗コリン剤のプロバンサインはアメリカのファイザー社が開発した薬です。
「プロパンテリン臭化物」を主成分とする内服薬で、皮膚科や内科の受診、また海外サイトからの個人輸入でも取り寄せることができるようです。
もともと、この抗コリン剤は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療薬としても使用されています。
発汗には、副交感神経のアセチルコリンが深くかかわっていると言われています。
関連記事:頭皮の蕁麻疹
頭皮の蕁麻疹の1つ、コリン性蕁麻疹も、このアセチルコリンから名前が由来されています。
発汗することでその汗が刺激となって起こる蕁麻疹です。
発汗は、このアセチルコリンがアセチルコリン受容体と結合することで起こると言われています。
この結合を阻止する働きをする薬が、この抗コリン剤「プロパンテリン臭化物」です。
副作用
●目や口の乾き
●体の火照り
●便秘
などがあるようです。
どれも汗がでないことによる副作用なので、目の乾きには目薬を。
体の火照りや便秘には水分を多めに摂るなどで防げるようです。
使用禁止の人
●緑内障の人
●前立腺肥大の人
●腸閉塞の人
上記の症状がある方は、症状が悪化する恐れがあるため使用できません。
飲むタイミング
服用後わりとすぐ効果が現れます。
個人差はありますが、汗をかきたくない時間を見計らって、その1~2時間前に服用するといいようです。
半側発汗(汗止めバンド)
頭部の汗の一時的な対処法として、汗を止めるためのバンドがあります。
|
胸上5~10cmのところにあるツボを押さえることで発汗を抑える効果があります。
制汗サプリ
|
飲む制汗サプリメントもあります。