目次
アレルギーとは?
体内に取り込まれた異物を排除する免疫(体を守るための防御システム)が過剰に働いてしまうことです。
もともと持っている自然免疫と、なんらかの刺激を受けてできる獲得免疫があります。
獲得免疫の中の【IgE(免疫グロブリンE)哺乳類のみに存在する糖タンパク質の一種】という抗体が関係する反応であると言われています。
頭皮における金属アレルギー
頭皮における金属アレルギーが原因だと思われることは、「汗」と「ヘアカラー」の2つです。
「汗」…汗の中に金属成分は含まれています。
頭皮には髪の毛が生えていることにより汗が溜まりやすく、それが原因で起こるかゆみや湿疹などがあります。
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「ヘアカラー」…ヘアカラーの中にも金属成分は含まれています。
「ヘアカラーをするとかぶれた」という方が、真っ先に思い浮かべるのは「ジアミン」や「過酸化水素水」です。
しかし市販のヘアカラー剤(白髪染め)などの中には「硝酸銀」や「硫酸銀」などの金属成分が含まれているものがあります。
金属アレルギーのある人が使用すると、頭皮の炎症やかゆみ、痛み、フケ、ひどい場合脱毛症などのアレルギー症状が出る恐れがあります。
市販のヘアカラーを購入する際は、金属成分が含まれていないかチェックして購入するよう注意が必要です。
ヘアカラートリートメントなど天然成分を配合したものを利用するといいでしょう。
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金属を多く含む食品がある!
「ニッケル」「クロム」「コバルト」などの金属が多く含まれている食品を摂取し続けていると、汗になって頭皮及び全身に出てくることがあります。
女優の奈美悦子さんが患った「掌蹠膿疱症」なども、この金属アレルギーが原因の1つだと言われています。
主に金属アレルギーの原因とされる「ニッケル」を多く含む食品(100gあたりの含有率)
穀物:そば(290)はと麦(150)小麦胚芽(140)米ぬか(140)など
豆類:きなこ(1000)大豆(620)小豆(440)納豆(320)緑豆(190)インゲン豆(180)米みそ(淡色160/赤100)麦みそ(100)など
菓子類:チョコレート(スウィート260/ミルク120)など
※高カカオチョコレートには通常の1.9~3.8倍のニッケルが含まれていると言われています。
貝類:メルルーサ(420)あわび(290)生うに(150)するめいか(130)板かまぼこ(130)ハマグリ(120)アサリ(110)など
種実類:ココナッツ(1400)落花生(乾820/バタピー180/ピーナッツバター290)くるみ(510)ゴマ(230)アーモンド(180)など
藻類:あおのり(870)のり(630)昆布(270)ひじき(260)わかめ(150)など
野菜類:シソ(葉110/実390)グリーンピース(160)わらび(140)トマトペースト(110)たけのこ(100)など
キノコ類:ヒラタケ(180)なめこ(140)
飲料:抹茶(740)麦茶(670)コーヒー(660)ココア(610)ほうじ茶(570)煎茶(550)玉露(430)ウーロン茶(280)番茶(270)など
調味料:山椒(480)醤油(140)ガーリックパウダー(110)唐辛子(100)など
「クロム」を多く含む食品
穀類:小麦胚芽、米ぬかなど
菓子類:チョコレートなど
魚類:マイワシ丸干しなど
種実類:エゴマなど
乳類:パルメザンチーズ、チェダーチーズなど
藻類:アオサ、昆布、乾燥わかめなど
飲料:お茶、ウーロン茶など
「コバルト」を多く含む食品
穀類:小麦胚芽、米ぬかなど
藻類:アオノリ、干しひじきなど
飲料:ココアなど
「亜鉛」を多く含む食品
穀類:米ぬか、小麦胚芽、ライムギ、はと麦など
魚類:牡蠣、するめイカ、たらこなど
種実類:ゴマ、きなこ、大豆、アーモンド、ピーナッツなど
藻類:焼きのり、ひじきなど
肉類:牛肉、豚肉など
乳類:パルメザンチーズ、プロセスチーズなど
菓子類:チョコレートなど
飲料:コーヒー、紅茶、抹茶など
中でも共通して言えるのが、チョコレートやコーヒー、お茶などの飲料です。
例えば毎日飲んでいるお茶やコーヒーをお水に変えるだけでも改善に結びつくかもしれません。
金属アレルギー検査「チャレンジテスト」
アレルギーの検査は血液検査や皮膚検査(パッチテストなど)がありますが、特定の食物を食べられるかどうかを確実に判定することはできません。
そこで実施されているのがこの「チャレンジテスト」です。
通常は卵アレルギーの人には卵を…と、その特定の食物が食べられるかどうかの判断ですが、チョコレートや大豆などに含まれる金属成分を大量に摂取することで、その食物がというよりその内容成分の金属により、痒みや発疹が起こるかどうかを判定するために行います。
※パッチテストで陰性の場合も、さらに詳しく調べることができます。
通常のヘアカラーのパッチテストでは、そのヘアカラーが皮膚に合うか合わないかを調べるので、そのヘアカラーの何に反応を起こしているかがわかりません。
金属が原因で起こしている場合、このチャレンジテストにより判定することができます。
大豆やチョコレートを大量に摂取することでかゆみや発赤が出るか反応を見ます。
一般的に通常の5倍程度(板チョコの場合1日3枚くらい)の量を4日間服用します。
※チャレンジテストを実施される場合は必ず医師の指示のもと行うことが必要です。
金属アレルギーは脱毛の原因にも!
「ザ!世界仰天ニュース(2015年4月22日放送)」では、金属アレルギーにより髪の毛を失ってしまった事例が紹介されました。
ある日突然大量の髪の毛が抜け始め、皮膚科で円形脱毛症と診断されたAさん。
しかしステロイド剤を注射するという治療もむなしく、たった3ヶ月で頭髪のほとんどが抜け落ちてしまいました。
その後、アレルギー治療の第一人者、中村秀夫医師により、金属アレルギーが原因であることが特定され、現在では元通りになっているとのことです。
医師によると虫歯治療で歯に被せた銀歯が原因で唾液により金属イオンが溶けだし、毛根のケラチンと結びつき、免疫細胞がこれを異物とみなし、攻撃してしまった結果、毛母細胞がダメージを受け、髪が抜けてしまったとのこと。
金属アレルギーの改善方法
頭皮の炎症やかゆみ、また円形脱毛症などの治療で、ステロイド外用薬や内服薬で処置し続けていても、思うような成果が出ない、一向に改善しないという方は、このアレルギーが原因になっているかもしれません。
アレルギー物質を取り除かない限り、いくら治療を続けていても改善しないでしょう。
そのような場合は医師にご相談いただき、以下のことをお試しください。
●頭皮にかく汗…「ニッケル」「クロム」「コバルト」などを含む食品を避ける。
特にチョコレートやコーヒー、お茶を毎日摂取している場合は控えたり、お水に変えたりしてください。
●ヘアカラー…金属成分の入っていないヘアカラー(ヘアカラートリートメントなど)で代用する。
●歯の詰め物など…歯医者に行き、金属の詰め物などを変えてもらう。
これらが原因しているとしたら、これらのアレルギーの原因を除去しなければ改善しません。
「薄毛に効果があるから」といって、亜鉛や大豆を積極的に摂り続けているというような方で、一向に効果が現れない、頭皮に炎症やかゆみ、かえって抜け毛がひどくなった、というような方は、もしかすると金属アレルギーが原因しているかもしれません。