目次
帯状疱疹とは?
出典:村上皮フ科クリニック
子供の頃かかった水ぼうそうの「ヘルペスウイルス」が体の奥深くに潜伏し、大人になって免疫が落ちていたり、何かの拍子にひょっこり顔を出し、再び活発化して現れるのが「帯状疱疹」です。
痛みが出る場所はさまざまですが、神経の通っている部分に沿って現れるため、大抵は身体の片側のみに現れます。
それは、ヘルペスウイルスが潜伏している場所が抹消神経の神経節の中だからです。
帯状疱疹が再発すると、ピリピリした痛みを伴い赤く水疱になります。
身体のさまざまな部位(脇腹や股、背中や下肢など)に現れますが、特に頭部(首筋から耳の後ろにかけてなど)に痛みが出た時は、顔面にまで影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
関連記事:頭皮の片側だけに感じるピリピリは【帯状疱疹】かもしれません!
帯状疱疹後神経痛とは?
通常帯状疱疹を患っても、早ければ1週間程度で水疱がかさぶたになり治っていきます。
痛みも同じようにほとんどなくなっていくのが普通ですが、帯状疱疹が治っているのにも関わらず、痛みだけが継続して起こることがあります。
これを「帯状疱疹後神経痛」と言います。
痛みの原因は?
帯状疱疹の初期時にウイルスが急速に脊髄神経の中で増殖し、神経変性(神経細胞を破壊してしまうこと)が原因のようです。
帯状疱疹後神経痛も3ヶ月程度で治まると言われていますが、長引く場合1~10年以上にわたって痛みが続く場合があります。
帯状疱疹後神経痛になりやすい人
●高齢
●帯状疱疹の初期症状が重症だった人
●感覚機能が異常を起こしている人(触れただけの刺激を痛みと感じるなど)
●免疫力が低下している人
などです。
痛みを緩和させるには?
帯状疱疹後神経痛には絶対的な治療法は現在のところまだないようです。
帯状疱疹が発症すると、ウイルスの活動によって激痛が起こり、この痛みが神経のゲートコントロールシステム(疼痛抑制機構)を誤作動させる原因となります。
通常はウイルスの活動が鎮静化し、神経の炎症が治癒することで、痛みは感じなくなるのですが、ゲートコントロールシステムが誤作動を起こすと痛みが取れずに残ってしまいます。
これが帯状疱疹後神経痛です。
引用:帯状疱疹後の神経痛、長引く痛みが止まった 薬学博士 鈴木郁功監修
医学ジャーナリスト 池田祥一著
帯状疱疹後神経痛とは、このようにゲートコントロールシステムの誤作動が起因しているため、痛み止めなどの対症療法を行ったとしてもすぐに治るわけではないようです。
※ゲートコントロールシステムとは?
身体が感じた痛みの刺激は、細い神経から太い神経に伝わり、これが中枢神経へと伝えられて脳が傷みとして感知します。
この時何らかの緊急事態が生じると、太い神経は細い神経とのゲート(門)を閉じるように作用し、痛みの刺激を脳に伝えるのを遮断します。
サッカー選手が、シュートを蹴って特典を入れ、試合が終わってみたら脚の骨が折れていた、などということがありますが、これもゲートコントロールシステムによって痛みの伝達が遮断されていたからでしょう。
引用:帯状疱疹後の神経痛、長引く痛みが止まった 薬学博士 鈴木郁功監修
医学ジャーナリスト 池田祥一著
なので、いかに傷みをコントロールしながら、少しでも痛みを感じないように生活していくしか方法はないようです。
では、少しでも痛みを感じない生活を送るにはどうすればいいのでしょうか?
一般的に病院やペインクリニックでは、神経ブロック療法や薬物療法を行い、治療を行うのが一般的なようです。
なるべく早期に治療を開始することが大切です。
人により症状や生活習慣などが違うため、治療法は人により細かく分かれます。
●星上神経節ブロック
●硬膜外ブロック
●理学療法
●抗うつ薬
●漢方薬
などさまざまな方法があります。
痛みの流れ
なぜ絶対的な治療法がないかと言うと、通常の帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛には痛みの発症に違いがあります。
<帯状疱疹の場合>
皮膚や神経の炎症→刺激→末梢神経→脳に伝わり痛みを感じる
<帯状疱疹後神経痛の場合>
末梢神経そのものが損傷や変性を起こす→脳に伝わり痛みを感じる
これは、いわゆる「神経痛(神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」と呼ばれるものです。
末梢神経そのものが損傷や変性を起こしていることで傷みが起きるため、普通の帯状疱疹のようにはなかなか回復できず痛みが残ってしまうのです。
そのため痛みの原因が皮膚の炎症などによるものではないため「ロキソニン」などの痛み止めがあまり効かず、長期に渡り痛みが続いてしまうことが多いようです。
自分でできる改善方法とは?
日常生活の中で自分で痛みを緩和させる方法がいくつかあります。
●お風呂や温泉、また軽い運動などで身体を温め血流を良くする
●ストレスを溜めない生活を心がける
●睡眠をしっかりとる
(睡眠時は痛みをあまり感じない方も多いようです。
しっかりした睡眠で免疫力アップ)
●痛み以外のことに意識を向ける
(好きなことや夢中になれることに集中する)
●患部を刺激しない
(患部にさらしなどを巻き、衣類とのこすれに肌がさらされないようにする)
痛みに有効な成分
痛みに有効な成分として次のようなものがあります。
●MSM(メチルスルフォニルメタン)…牛乳・コーヒー・穀類・果物・野菜など
天然のイオウ化合物でタンパク質などの合成に関与している成分で、抗炎症作用や鎮静効果あります。
髪や爪、肌などにもいいとされ、美容効果も期待できる成分です。
●ビタミン
・ビタミンB12(しじみ・赤貝・すじこなど)
ビタミンB12は、血流を促す効果や神経細胞が正常に代謝するために絶対不可欠なビタミンです。
・ビタミンB6(にんにく・まぐろ・酒粕・レバー・かつおなど)
ビタミンB6は、脳や神経、皮膚などが正常に成長や発達する上で必要なビタミンです。
末梢神経障害を改善する薬にも配合されています。
・ビタミンB1(豚肉・ウナギ・豆類・種子類など)
ビタミンB1(チアミン)は、心臓、腎臓、肝臓、脳や白血球、赤血球などに多く存在しています。
代謝が早く貯蔵されにくいため、常に供給する必要があります。
・ビタミンC(赤ピーマン・ゆず・アセロラ・レモンなど)
ビタミンCは(アスコルビン酸)は、抗酸化作用や抗ウイルス作用、また免疫力を高めるのにも役立っているビタミンです。
人はストレスを感じると副腎でストレスと対抗するためにコルチゾール(こうストレスホルモン)を作ります。
ストレスにさらされると、この項ストレスホルモンと同時にビタミンCが減少していきます。
ストレスと対抗するためにはコルチゾールを多く生産する必要があり、そのためにビタミンCが必要になります。
●ヒハツエキス…黒コショウなど
血流を促進させ、痛みを和らげます。
ヒハツエキスは東南アジアに分布するコショウ科の植物で、体を温め、血流が良くなることで代謝が向上します。
●テアニン…お茶など
テアニンを摂取すると、アルファ派が発生します。
アルファ派は脳が発生する電気信号で安静時により多く発生されるものです。
テアニン摂取により脳がリラックス効果を保つことができ、さらに免疫力アップや抗ストレス効果、睡眠改善効果も期待できます。
●ギャバ…発芽玄米・トマト・アスパラ・きゅうり・メロンなど
ギャバには、セロトニンの放出を促進させる効果があります。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、痛み制御伝達物質としても働き、睡眠や多恨調節に関与しています。
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●レモンバーム…ハーブティーなど
その名の通りレモンにも似たさわやかな香りのハーブです。
脳や神経に高いリラクゼーション効果を発揮します。
精神的ストレスを和らげ、それによって自然治癒力を高める効果が期待できます。
このような成分が含まれる健康食品を飲んで痛みが改善された方々が多数いるようです。
また、免疫力を上げる成分として
●ミルクグロブリン
●ホエイタンパク
●アラビノキシラン
などが含まれた健康食品を併用され、痛みが緩和されたという声も多く聞かれます。
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免疫力を高める食材
●キノコ(姫マツタケ・しいたけ・まいたけ・マツタケなど)
●海藻類(昆布・メカブ・もずくなど)
●にんにく
●アロエベラ
●ノニ
●田七人参
●プロポリス
●キチン・キトサン
など。
帯状疱疹後神経痛になってしまった場合、絶対的な治療法がないことから、なかなか改善されない方が多いようです。
しかしお風呂や温泉、軽い運動などで体を温め血流を良くしたり、睡眠をしっかりとり、好きなことに集中するなど痛みから神経をそらすことで、痛みをうまく軽減していっている方もまた数多くいます。
痛みに耐えて頑張っていらっしゃる方の症状が少しでも早く軽減、改善されることをお祈りしています。