「ヘアマニキュアは髪を傷めず髪に優しいヘアカラー」
そぅ言われてきたヘアマニキュアですが、最近ではこんなウワサも囁かれています。
「ヘアマニキュアは色が落ちる時に一緒にキューティクルを剥がしてしまう!」
実際のところどうなのでしょうか?
ヘアマニキュアの嘘?本当?についてご紹介していきたいと思います。
目次
ヘアカラーの種類
髪を染める種類(方法)には大きくわけて3つあります。
① 一時染毛剤
名前の通り一時的に髪に色を着けるカラー剤のことです。
「生え際や分け目の白髪が目立ってる!お出かけ前にさっと塗って隠しちゃおぅ!」とか
「明日頭髪検査だから1日だけ黒く見せたい!」
と、その日だけ塗って誤魔化し、洗えば落ちてしまうというカラー剤です。
カラースプレーやカラーマスカラなどがあります。
② 永久染毛剤
酸化染料を使用した最もポピュラーで最も色持ちのいいカラー剤です。
色や毛髪により異なりますが、塗ったところは着るまですっと残っている場合が多いです。
シャンプーしても色は落ちず毛髪内部からしっかりと染まり、オシャレ染めから白髪染めまで幅広く対応できます。
③ 半永久染毛剤
色はすぐには落ちませんがシャンプーをするたび少しずつ落ちていくため、色持ちは3~4週間程度のものが多いです。
自然色からビビットなものまで幅広く表現できます。
ヘアマニキュアは、この半永久染毛剤になります。
ヘアマニキュアの仕組み
毛髪のイオン性を利用して着色させるカラー剤です。
髪には等電帯というものがあり、PH4.5~5.5を境に低くなると毛髪は+(プラス)の電荷を帯びます。
逆にPHが高くなっていくと毛髪は-(マイナス)の電荷を帯びます。
PHが産生のヘアマニキュアを塗布すると、毛髪は+の電荷を帯び、電気的な力で結合します。
これをイオン結合と言います。
ヘアカラーの染まり方
普通のヘアカラー(永久染毛剤)は、髪の内部にあるメラニン色素を脱色しながら染料を着色させていく形です。
よく「ブリーチとヘアカラー何が違うの?」とか
「ブリーチはしないで髪を明るく染められますか?」と疑問に思われる方がいますが大抵のヘアカラーは「ブリーチ+染料」で構成されています。
なのでいくらブリーチを単体で使わなくても、ブリーチしているのと同じことです。
話はそれましたが、このような作用があるため、人それぞれメラニン色素の種類や量は違うため、同じヘアカラーをしても違う色に染まってしまったり、思った色に染まりにくいです。
例えばブリーチをして金髪にして、そこにアッシュを入れようとしても、キレイなアッシュにはなかなかなりにくいという経験をされた方はいませんか?
なぜうまく色が入ってくれないかと言うと、黄色+青(アッシュ)=緑(マット)だからです。
どうしてもくすんだ緑色になりやすいです。
毛髪の中に残ったメラニンの黄色が邪魔をしてしまうのです。
余談ですが、トイレの洗浄剤はブル―がかっている紫が多いですよね?
それは、トイレの黄ばみを取るために補色である紫を使っているからなんです。
髪も同様に、このような補色を使います。
髪をブリーチして白にしたいと思った場合、どうしても最後にペールイエローが残ってしまいます。
その黄ばみ(?)を取るために補色である紫を使って白くします。
このように髪そのものの色を変えようと思うと、足し引きが大変で、さらにアルカリを使っているため髪は傷みます。
ヘアマニキュアの染まり方
一方、ヘアマニキュア(酸性染料)は染料分子(粒子)が大きいので、キューティクルの隙間を通って毛髪内部に浸透することができません。
そのため、表面からキューティクルの内側だけに染まります。
染まり方は「リング染色」と言い、髪の外側だけにしか染まらない状態になります。
そのため、毛髪内部の色を変えるわけではないので、黒髪に染めるとその上から色のコーティングをした感じになり、太陽の光に当たると何となく色が見える程度です。
もし色をきちんと見せたい場合は、白髪か明るめの毛髪に染めるとビビットに見えます。
爪のマニキュアと一緒だと思っていいでしょう。
美容院と市販のヘアマニキュアの違い
美容院のヘアマニキュア
先ほども書きましたがヘアマニキュアはイオン結合により着色されます。
美容院のヘアマニキュアはイオン結合が協力になっているため、肌につくとなかなか色落ちしません。
また、染まりがよくするために染料が入っているため色落ちしてきても髪に色味が残りやすくなるように作られています。
市販のヘアマニキュア
市販のヘアマニキュアは素人でも扱いやすくしている分、イオン結合が若干弱く作られています。
そのため例え失敗しても髪にヘアマニキュアが過度に付着もせず肌についても色落ちしやすいため修正がききやすいのです。
市販のヘアマニキュアを使うメリットとしては、このことからもわかるように短期間だけ黒く染めなければならない場合です。
美容院に行ってヘアマニキュアを染めるよりは市販品を購入し、ご自分で染められた方が色落ちが早いです。
ヘアマニキュアはキューティクルを剥がす?!
ヘアマニキュアはキューティクルを剥がしているわけではないです。
が!!
マニキュアに使われている「ベンジルアルコール」という溶剤がキューティクル中にある「18-MEA(18-メチルエイコサン酸)」と呼ばれる毛髪特有の脂質成分を剥がしてしまうのです。
この成分は毛髪にツヤを与えたり、毛髪同士の絡まりなどを防いでくれる成分です。
これを失った髪はツヤがなくなり、パサパサ感が出やすくなります。
ヘアマニキュアのデメリット
この他、ヘアマニキュアには次のようなデメリットもあります。
① 疎水性になる
疎水性とは、水に溶けない性質のことを言います。
水を弾いてしまうため混ざりにくくパーマ液やヘアカラー剤などを弾き飛ばされてしまい、パーマのかかりが悪くなったり、ヘアカラーのチェンジがしにくい状態になってしまうのです。
そのため、ヘアマニキュアをしていても効くような強い薬剤を使わなくてはいけなくなるため、髪に負担がかかりやすくなってしまいます。
② くせ毛になりやすい
ヘアマニキュアでコーティングされた髪はビニールに包まれているようなものです。
例えばビニールに熱を加えてしまうと、シワシワになってしまいますよね?
毛髪は毎日のようにドライヤーやアイロンの熱を当てられ続けています。
ビニールに熱を与え続けているとうねってきますよね?
それを元に戻そうと思っても無理な話です。
そのため、うねりが出やすく、くせ毛になりやすくなってしまうのです。
③ ゴワゴワしやすい
コーティングもヘアマニキュアが取れていくのと同時に剥がれてきます。
しかし!爪のマニキュアも同様ですが、重ね塗りをし続けていると分厚くなってしまった部分や逆に剥がれやすくなっている部分ができてしまいませんか?
うっすら塗っているだけならリムーバーで落としやすい爪のマニキュアも、重ね続けたマニキュアは落としにくく、しかも均一にはなかなか落ちにくい。
さらに傷みから髪を守ろうとトリートメントなどを上から重ねていたらなおさらです。
髪に残留したトリートメントとヘアマニキュアが髪をごわつかせてしまいます。
ヘアマニキュアのメリット
デメリットがある分、当然メリットもあります。
① キューティクルを開かせない
通常のヘアカラーのようにキューティクルを開いて髪が傷むということはありません。
② 頭皮トラブルを起こしにくい
頭皮にはつけないため、かゆみやかぶれなどの頭皮トラブルも起こしにくいです。
発がん性物質やアレルギー物質だと言われているアレルギーなどがある方におススメです。
ヘアマニキュアよりさらに安全なものとして、ヘナなどの自然の物に切り替えられている方もいますが、ヘナでもアレルギーが起こる方は多いです。
どんなカラー剤でもメリットデメリットがあるので、それらをよく考えながら、ご自分に合ったものや用途に合わせてお使いになるのが一番ではないかと思います。