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とびひの原因は?
とびひは細菌が皮膚に感染することで発疹し、人にうつる感染症です。
細菌に感染してできた黄色いかさぶたのことを「膿痂疹」といいます。
なので「伝染性膿痂疹)でんせんせいのうかしん)」とは「伝染するかさぶた」という意味になります。
かゆいからといって掻きむしってしまった手を介し、水疱があっという間に全身に広がります。
その広がっていく様子が火事の火の粉が飛び散る様子と似ていることから「とびひ」と呼ばれています。
虫さされやあせも、湿疹、アトピー性皮膚炎などにより肌を掻き壊し、そこに細菌が入り込み、黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌に感染することで発症します。
特に夏、7歳未満の乳幼児に多くみられます。
出典:たんぽぽこどもクリニック
とびひの種類
とびひは感染後最初の3日間が非常に感染力が強く注意が必要です。
●夏場に多く、主に赤ちゃんから子供が感染しやすい【水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)】
水ぶくれができたもの。
水疱が膿を持つようになり、かゆみが増してきます。
最初は目や鼻、口周りなどから発症し、掻いた手であちこち触っているうちに全身にうつってしまいます。
主に黄色ブドウ球菌が原因です。
●季節に関係なく、大人も感染しやすい【痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)】
かさぶたができたもの。
皮膚に膿疱ができ、厚いかさぶたができます。
炎症が強くリンパ節が腫れたり、のどの痛みや発熱を伴うこおとがあります。
主に化膿レンサ球菌が原因ですが、黄色ブドウ球菌にも感染していることが多いです。
とびひに感染!お風呂は入っていいの?
とびひが発症している間は、シャワーだけの方が良いという医師と、発熱などがなければ入浴してもかまわないという医師がいます。
入浴したら?
家庭のお風呂に入浴する際は、家族全員が入った後、清潔なお湯に入れ替えて入浴した方が良いでしょう。
患部に湯舟の雑菌が入ってしまうことによって悪化してしまう可能性や、家族に感染を拡大させてしまう恐れもあるためです。
患部は低刺激のボディーソープを使用し、やさしく泡を立ててよく洗い流しましょう。
お風呂から出る前は、必ずシャワーのお湯でよく流して出ましょう。
温泉は?
皮膚の感染症の場合、治療効果が期待できる温泉があると思いますが、とびひには、そのような温泉はないものと考えられます。
他人へ移る危険があるため、温泉への入浴は避けるべきでしょう。
家庭でのお風呂と違い、お湯の入れ替えがまめにできない温泉には何人もの人が入るため、雑菌もいっぱいです。
雑菌による症状の悪化もおおいに考えられます。
とびひに感染!学校へ行っていいの?
とびひは接触感染で他人へうつります。
しかし傷口のない皮膚やバリア機能の弱っていない健康な皮膚の人に触れたからといって、すぐに感染に結びつくわけではありません。
他人にうつしてしまう可能性のある病気ですが、とびひの患部を覆っていたり、皮膚科などを受診し、医師の診断や適切な処置をとっていれば、学校や幼稚園などを出席停止にはなりません。
ですが、学校や幼稚園により規則が違うため、念のため学校や幼稚園に連絡をした方がいいでしょう。
連絡してあれば先生もそれなりの対応処置をとってくれます。
患部が複数ある場合や、広範囲にわたっている場合は、登園や登校は学校により出席停止を必要とすることがあります。
プールは入っていいの?
プールは入らない方がいいでしょう。
乾燥し、かさぶたになるまではお休みさせましょう。
感染者本人の早期改善と周りへの感染拡大を防ぐためです。
また、治りかけでプールに入るような場合は、スイミングキャップを必ず着用し、最後は必ずシャワーでよく流しましょう。
まだ小さいお子さんには患部を触った手でお友達に触るとうつってしまうということをよく自覚させ、タオルの貸し借りにも気をつけさせましょう。
とびひの治療法
抗菌薬(飲み薬、塗り薬)…殺菌する
抗ヒスタミン、抗アレルギー薬(飲み薬)…かゆみ止め
亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)あえんかなんこう)…炎症を抑える、患部保護
※目に見えない範囲ですでに菌が広まっている可能性があるため、飲むタイプの抗菌薬を使用した方が早く治ります。
家庭での対処法
●頭皮はよく洗い流す…シャンプー剤は低刺激のものを使い、ゴシゴシ傷つけないよう優しく爪を立てないで洗ってください。
お子さんが感染してしまったら、爪を短く切っておいてあげるのも予防につながります。
●枕カバーやシーツはこまめに洗う。
●お風呂は温めで…できれば湯舟には入らずシャワーだけにするなど細菌に感染しないよう、また家族への感染拡大に努めましょう。
●汗をかいたらこまめに拭きとる。
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