首の後ろの激しいかゆみや湿疹、赤みや腫れを経験されたことがある方はいますか?
もしかするとそれは【ビダール苔癬(たいせん)】という湿疹かもしれません。
目次
ビダール苔癬とは?
出典:さいとう皮膚科クリニック
慢性単純性苔癬とも呼ばれ、皮膚の神経が刺激されかゆみが現れるため、神経性皮膚炎とも呼ばれています。
首の後ろだけではなく腕、太もも、陰部などに現れる発疹です。
ビダールと言うフランスの皮膚科医の名前から付けられているそうです。
かゆみや湿疹、赤みや腫れなどが現れ、かゆみを我慢できずに掻いてしまうことで複数の丘疹ができ、平坦で乾燥した苔癬(ゴワゴワ)ができます。
初期は軽いかゆみでも、非常に激しいかゆみや腫れを伴い、我慢できずに掻いてしまうことや、体が温まり血行が良くなることでかゆみを増してしまいます。
精神的な作用が大きく、ストレスにより激しく悪化したり、また急激に改善したりもします。
ビダール苔癬の原因とは?
●不安障害、ストレス
●胃腸障害
●ネックレスなどによる金属アレルギー
●衣類の擦れ
●糖尿病
●人工透析を受けている人
などが原因とされていますが、特に首の後ろのかゆみの場合、髪の長い女性に多いことから髪の毛に原因の1つがあることが考えられます。
●髪の毛による刺激
●シャンプーやコンディショナーの流し不足
●ヘアカラーやパーマなど
シャンプーやコンディショナーをつける際、どうしてもすすぎ不足になってしまうのが後頭部です。
髪の長い場合は特に流す際、髪はまとめているわけではなく、下ろした状態のため、首筋に触れた状態で流すことになります。
首筋に接触した髪、そして髪についたシャンプー類によるアレルギー性接触皮膚炎などが原因になる可能性が高いです。
お風呂へ入った際は必ず髪を洗った後、髪をまとめ、最後に首筋をきちんと洗い流しましょう。
ビダール苔癬の対処法とは?
かゆいからと、掻きむしってしまっても、一時的に掻いたことで痛みや刺激は加わるだけで、根本のかゆみが軽減されるわけではありません。
むしろかゆみもひどくなり、皮膚が肥厚してしまうため、できる限り早くかゆみを取り除く必要があります。
●抗ヒスタミンの外用薬や内服薬(かゆみを和らげる)
抗ヒスタミン外用薬
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●ステロイド外用薬(炎症を抑える)
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また、かゆみの原因(刺激となるもの)がないか考え、その刺激物を避けることが第一です。
衣類による原因が考えられる場合、綿100%やウール100%の天然繊維の衣類などで多少改善できるようです。
過度の飲酒や入浴により体を温めると余計かゆみが増してしまうため、体をなるべく冷やしましょう。
乾燥しているとかゆみが強くなるため、保湿を心がけましょう。
また、市販薬を塗って悪化したという例もあるので、症状がひどい場合は早めに皮膚科を受診されることをおススメします。
漢方薬での対処法
●清熱涼血(炎症を抑える)
●気血双補(皮膚に潤いをもたらせる)
●寧心安神(精神状態を安定化させ、ストレスを緩和)
ビダール苔癬はうつる?!
ビダール苔癬は発症する場所や、その皮膚の見た目からうつるのではないか?と思われがちですが、うつりません。
菌やウイルスによるものではないので大丈夫です。
ビダール苔癬に似た症状
●アトピー性皮膚炎(皮膚バリア機能が弱い人に起こりやすい皮膚疾患)
●尋常性乾癬(皮膚が盛り上がる紅斑や落屑)
●接触性皮膚炎(下着やナプキンなどが触れることで刺激となって現れる)
●カンジダ症(白癬菌の感染によるもの)
精神的なストレスなどが強く関わっている可能性があります。
しっかりと睡眠をとり、摩擦や刺激になるものに触れないように注意し、髪はまとめて接触しないようにしましょう。