頭皮にニキビ?小さいかゆみのある発疹は【マラセチア毛包炎】かも?!
頭皮にニキビよりちょっと小さめのブツブツやかゆみ、痛みなどが現れていたら、それは【マラセチア毛包炎】かもしれません。
目次
【マラセチア毛包炎】とは?
ニキビと言えばアクネ菌ですが、アクネ菌が原因でできるニキビとは違い、「マラセチア菌」が原因でできるニキビ状の発疹です。
皮膚が赤くなり、光沢のある、ニキビよりやや小ぶりな発疹です。
最初のうちはかゆみや痛みなどはほとんどなく、炎症を起こした発疹が広範囲に発生します。
ひどくなると痛みも感じるほどの強烈なかゆさが起きます。
発疹の先端に膿が出てくることもあるため、ニキビと非常に似ていて間違えやすいです。
ニキビだと思ってニキビ薬を塗布してしまうと悪化してしまう恐れがあります。
出典:あっくん★の美容ブログ
マラセチア菌とは?
癜風菌(でんぷうきん)の一種で、皮膚の角質に留まり活動をしている表在性真菌というカビの一種です。
皮脂を食べて生きています。
そのため、皮脂が過剰分泌されるとマラセチア菌が増え、マラセチア菌が増えると皮脂が増えるという共存状態になります。
が、決して悪い菌というわけではありません。
もともと皮膚に存在している菌(カビ)で、通常はいても全く問題はありません。
ある意味皮脂を分解してくれ、肌にうるおいをもたらしたり、皮膚を保護してくれるものなので、いてくれるおかげで助かっている面もあります。
しかし、必要以上に繁殖してしまうと、かゆみや炎症を起こしてしまうのです。
マラセチア菌の特徴
アクネ菌と同様、皮脂分離酵素のリパーゼを分泌する機能を持っています。
皮脂を遊離脂肪酸とグリセリンに分解し、遊離脂肪酸が酸化されると毒性のある過酸化脂質に変化し、マラセチア毛包炎へと発展させます。
マラセチア菌には次の5つの種類があります。
●マラセチア・ダーマティス
●マラセチア・シンポディアリス
●マラセチア・グロボーサ
●マラセチア・ファーファ
●マラセチア・レストリクタ
炎症を起こす理由
次の2点が挙げられます。
●マラセチア・ファーファは毛穴に侵入すると体の免疫反応により異物とみなされ攻撃されてしまい、炎症を発生させてしまうという性質を持っています。
●マラセチア菌が皮脂を分解した際の代謝物が炎症を起こしてしまう。
ひどくなると
頭皮で繁殖すると、脂漏性脱毛症を引き起こす可能性があります。
あまりにも治りにくくい場合や、炎症のひどい場合は速めの皮膚科受診をおススメします。
マラセチア毛包炎はうつる?
一言でいうと、全く関係がありません。
このような皮膚に関する病気になった場合、他人にうつしてしまうかどうかを気にされる方がいますが、もともとマラセチア毛包炎の原因菌であるマラセチア菌は、誰もが持っている皮膚常在菌の1つです。
そのため、うつる、うつらないは関係ありません。
この菌を持っていない人はいないからです。
※ただし、マラセチア毛包炎の症状が出ている方は、逆に言えばマラセチア菌が増殖しているということになります。
健康の皮膚の方には問題ありませんが、皮膚のバリア機能が低下している方や、体調が弱っているような方などは、その保有者とのタオルや化粧品などの共有は十分注意が必要です。
マラセチア菌が繁殖する原因
●皮脂の分泌過剰
髪をあまり洗わない方や、皮脂欠乏症や乾皮症などのように皮脂が必要以上に分泌されない方には湯シャンがいいとされていますが湯シャンの必要もないのに、湯シャンを実行されているような方などは皮脂の分泌量が多くなってしまいます。
●頭皮の蒸れ
自然乾燥されている方や体温の高い方、汗をかきやすい方などは、頭皮が蒸れやすいです。
シャンプー後は必ずドライヤーをかけ、まだ体がほてっている場合は頭皮に冷風を当て、頭皮のほてりを冷ますと共に頭皮に残った水分を十分に乾かしましょう。
●洗浄力の強いシャンプーを使用
「ラウレル硫酸ナトリウム」や「ラウレル硫酸アンモニウム」など洗浄力の強い成分の含まれたシャンプーを使用していると、必要以上に皮脂を落としすぎてしまう可能性があります。
落とし過ぎてしまった頭皮には、逆にそれを補おうと過剰分泌になってしまうのです。
マラセチア毛包炎の治療法
一番いいのは、やはり皮膚科に行き、検査を受けることです。
一見ニキビにも見えるマラセチア毛包炎は、検査をしてみないとニキビなのかマラセチア毛包炎なのかの判断がつきません。
皮膚科で検査を受けたうえで適切な処置をするのが一番です。
抗真菌薬の内服薬や、外用薬が処方されます。
市販薬での治療法
イミダゾール系の塗布薬…真菌が原因の水虫などに効く薬。
ニゾナールクリーム
ミコナゾール硫酸塩…抗真菌薬として効果を発揮する成分。
出典:QLife
内服、外用薬などがあります。
自宅での対処法
●シャンプーは抗真菌薬配合のものを使用する。
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●首筋や髪の生え際など、洗い残しや流し残しがあるとできやすいので、よく流しましょう。
ヘアケア剤などつけている人はそれらをよく流すよう、毛先までよくシャンプーをきちんとしましょう。
●マラセチア菌がいるのは頭皮だけではありません。
皮膚もそうですが、髪の毛にも付着しています。
長い髪をおろしていれば、首筋などはこれ以上ないカビの住処です。
暑い夏の日や湿度うの多い時期は、髪をっ結ぶなど髪が皮膚に触れないように、また通気性がいいようにすることが必要です。
マラセチア菌が皮脂と湿気を好みます。
●体を清潔に保つこと。
●普段から頭皮や髪の毛が接触する枕周りやシーツ、衣類などはまめに洗濯をしましょう。
●自然乾燥はカビが繁殖しやすくなるため、必ずドライヤーで乾かしましょう。
●食生活に注意。
代謝を良くし、皮膚の回復に役立つビタミンB群を多く含む食材を積極的に摂りましょう。
レバーやしじみ、卵、トマト、ほうれん草、しいたけ、牛乳などです。
また刺激の強い香辛料やコーヒー、アルコールなどを控えることをおススメします。