頭皮に急にできた黒いほくろやあざは【メラノーマ(悪性黒色腫)】かも?
頭皮にできた一見ほくろやあざに見える黒いものは、皮膚ガンの一種である【メラノーマ】かもしれません。
出典:船橋ゆーかりクリニック
目次
【メラノーマ】とは?
皮膚ならどこにでもできる可能性があるため、当然頭皮にもできます。
これはほくろが癌化したものではなく、メラニン色素を作る「メラノサイト」が異常増殖し、悪性化したものです。
メラニン細胞は皮膚の表面を覆っている表皮や毛球、真皮だけでなく、汗腺や眼(網膜や脈絡膜)、粘膜(口腔、食堂、腸管)などに分布している細胞です。
メラノーマはこのようにメラニン細胞がある場所であればどこにでも発生する可能性があります。
【メラノーマ】の原因は?
メラノーマの原因は、紫外線や刺激によるものと言われています。
そのため紫外線にあたりやすい部分や、足の裏などの常に刺激を受ける部分に発生しやすいようです。
また、紫外線より高エネルギーを持つ宇宙線の被爆を受ける航空機の乗務員はメラノーマの発症リスクが約2倍になるという研究報告や、柑橘類の摂取が多いとメラノーマの発症リスクが上がるという調査結果なども言われています。
また比較的高齢者に発生しやすいと言われていますが、若い世代(20歳代や小児)でもメラノーマは発症するようです。
そのため、若いからという理由だけで「メラノーマではない」とは言い切れません。
【メラノーマ】の種類
① 末端黒子型黒色腫(まったんくろこがたこくしょくしゅ)
日本人に最も多いメラノーマです。
足裏や爪など、体の末端にできやすいです。
② 表在拡大型黒色腫(ひょうざいかくだいがたこくしょくしゅ)
紫外線は関係なく、母斑細胞(ほくろの細胞)から発生したもので、平らに広がっていくメラノーマです。
体のあらゆるところにできます。
③ 結節型黒色腫(けっせつがたこくしょくしゅ)
メラニン色素の沈着が少ないため、色が薄いことが多いメラノーマです。
盛り上がってきやすく、転移が早いため、注意が必要です。
④ 悪性黒子型黒色腫(あくせいくろこがたこくしょくしゅ)
頭部に発生しやすいのは、この悪性黒子型黒色腫です。
顔や首、頭部、手など紫外線を浴びやすい部位にできます。
比較的高齢者に多く見られます。
初期症状としては、黒っぽいあざのようなものができ、進行していくと色が黒く濃くなっていきます。
「頭皮にシミができた」
「ほくろができた」
「アザができた」
と、思ったら、まずは皮膚科を受診されるか、よく観察しながら色が濃くならないか?大きくならないかを気にかけておきましょう。
この悪性黒子型黒色腫は、メラノーマの中で特に悪性度が高く、そのまま見過ごしてしまうと内臓に転移し、手遅れになる可能性があります。
抗ガン治療がほぼ効かず、転移したとしてもそれは同じで抗ガン治療が効かないと言われています。
日本人は1年間に人口1~2人発生すると言われています。
2011年の日本人におけるメラノーマ患者数は約4000人。
そのうち男性47%、女性53%と、ほぼ男女比は同じです。
また、2012年に日本でメラノーマと診断された患者数1400人に対し、亡くなった患者数が700人と多いことから、非常に死亡率が高いガンであることがわかります。
これは、皮膚表面だけでなく、深部にまで広がってしまうため、血液やリンパを通じて全身に転移する可能性があるためです。
進行速度が速いため、早期発見、早期治療が重要です。
ほくろと【メラノーマ】の違いは?
メラノーマの形…左右非対称でギザギザしている(ほくろは左右対称で円形)
メラノーマの色…色にムラがあり、黒色(ほくろは黒色もしくは茶色)
メラノーマの表面…表面がデコボコしている(ほくろはデコボコしていない)
メラノーマの固さ…固さが違う部位がある(ほくろは均一の固さ)
メラノーマの大きさ…急に大きくなる(ほくろはあまり大きくなることはない)
また、メラノーマは出血やかゆみなどが現れる場合があるようです。
ほくろは良性腫瘍で、メラノーマは悪性腫瘍です。
ほくろからメラノーマに変わることはありません。
ほくろから毛が生えることはありますが、メラノーマから毛が生えることはないとも言われています。
【メラノーマ】と似ているもの
●ほくろ
頭部にできるほくろは「色素性母斑」とも呼ばれています。
先天性のほくろは遺伝的な要素があり、産まれた時からずっとあるので本人も承知していることが多いですが、ある時気が付くと出来ている場合があります。
ほくろは紫外線が当たることによりできるメラニン色素の集合体だと言われています。
また傷などの外部からの刺激やストレスからもほくろはできるようです。
頭にできるものの中には肌色のものが多く、毛が生えているのが特徴です。
よく「ほくろをいじるとガンになる」
と言われていますが、悪性化することはほとんどありません。
しかしいじっているうちに細胞に変化が生じ悪性腫瘍を誘発する恐れがあるのであまり触らないようにしましょう。
●黒あざ
皮膚の表面から真皮にかけてできます。
色や大きさは様々で、平らなものから盛り上がったもの、不規則にデコボコのあるものなどもあります。
中には10cm以上に大きくなるものもあり、あざの中心に毛が生える場合もあります。
脂漏性角化症とも呼ばれている老人性のイボです。
黒いほくろのようなシミやぽつぽつとした小さいイボで良性の腫瘍の一種です。
【メラノーマ】対策!できないようにするには?
●紫外線予防
帽子や日傘、長袖や手袋の着用、日焼け止めクリーム、飲む日焼け止めなどで紫外線予防対策を心がけましょう。
車や家のガラスを紫外線吸収剤が練りこまれているUVカットガラスにしても、99,9%程度はカットできると言われています。
●ガン予防に有効な食材
・キャベツ(キャベツなどのアブラナ科の野菜はがんのリスクを低下させると言われています)
・ターメリック(強力な抗酸化力でがん予防に効果的と言われています)
・にんにく(にんにくに含まれている成分「DATS(ダッツ)」にはがん細胞の増殖を抑制、消滅させる効果があると言われています)
・バナナ(免疫力が上がると言われています)
【メラノーマ】対策!メラノーマかもしれないと思ったら
急に頭皮に黒いほくろやイボ、あざのうようなものが現れたら、早めに皮膚科を受診してください。
出来れば病理検査の出来る皮膚科で、ダーモスコピー検査を受けると確実に調べることが出来ます。
【メラノーマ】対策!メラノーマができていたら
早期発見の場合、小さな手術で除去できます。
2~3年は転移や再発の可能性もあるため要観察、5~10年は経過観察が必要になります。
頭皮は髪が邪魔してよく見えない場所のため、発見が遅れる場合があります。
日ごろから頭皮の生え際~首筋まで、念入りにシャンプーをし、指に何か当たらないか、引っかかるものはないか自分で確認しながら洗いましょう。
また、髪を切る際、美容師さんに
「頭皮に変化はありませんか?」
「ほくろのようなものは出来ていませんか?」
と、見てもらうのもいいでしょう。
カットの際、ブロッキングや分けながらカットするため、自分では気づかない色やできものなど頭皮の変化に気づきやすいです。