乳幼児~未成年に多い頭皮のしこりは【石灰化上皮腫】かも?
頭皮にできた0.5~3cm程度のしこり。
押しても痛くない。
かゆみもない。
けど、これって何だろう?
そんな頭皮のしこりが出来ていたら…もしかするとそれは【石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)】かもしれません。
目次
石灰化上皮腫とは?
皮膚の内側の浅い部分にできる良性の腫瘍です。
腫瘍と聞くと「え?!ガン?!」と思いがちですが、良性なのでガンではないので心配はいりません。
その病名の通り、皮膚の一部が石灰のように硬くなるもので、乳幼児から比較的若い年代の方に発生することが多く、頭皮だけでなく
顔面や上肢、頸部などに現れることが多いようです。
ほとんどの場合が無痛、無症状ですが、まれにかゆみがあったり、押すと痛みを感じる場合があります。
皮膚の色は変化がなく肌色のままだったり、皮膚の浅い部分(腫瘍の上の皮膚が薄い場合)は、黄白色や青白・青黒く透けて見えることがあります。
表面は凸凹していることが多く、触ると内側に硬いものを感じます。
石灰化上皮腫の原因は?
出典:はいはいのり
はっきりとした原因は不明のようです。
が、石灰化上皮腫は別名「毛母腫」とも呼ばれ、毛を作る「毛母細胞」が間違って増えすぎてしまうことによってできるのではないかと言われています。
石灰化上皮腫に似ているもの
●粉瘤(ふんりゅう)
出典:AKI CLINIC
皮膚の下に袋状の構造物が出来、新陳代謝によって剥がれ落ちるはずの角質や皮脂が袋の中に溜まって出来る腫瘍です。
石灰化上皮腫にはこの袋状の嚢腫壁がありません。
●ガングリオン
出典:古東整形外科
皮膚の下にゼリー状の物質の詰まった腫瘤です。
主に指や関節の付け根などにできますが、ごくまれに頭皮(耳や首の周辺)にできることがあります。
●外傷性血管腫(がいしょうせいけっかんしゅ)
血管に似ている以上な形態の細胞が増殖しているもので、外傷を負った後にできる腫瘍です。
頭をどこかにぶつけたりした後にできたしこりは、この可能性があります。
●悪性腫瘍
出典:船橋ゆーかりクリニック
皮膚ガンです。
表面は凸凹で、石灰化上皮腫と似ていますが、悪性腫瘍の場合表面から触ってもほとんど動きません。
一方石灰化上皮腫の場合、表面から触ると皮膚の下で動きます。
しかしまれに大きくなってしまったものや、動きにくいもの、また腫瘍の上の皮膚が破裂してしまったものなどの場合は見分けがつかない場合があります。
石灰化上皮腫が多発している場合は要注意!!
石灰化上皮腫が多発している場合「筋緊張型ジストロフィー」を合わせ持っている可能性があります。
筋緊張型ジストロフィーとは?
筋肉が萎縮し、筋力が低下していく病気です。
しかし石灰化上皮腫が多発していたとしても必ずしも筋緊張型ジストロフィーというわけではありません。
しかし石灰化上皮腫が多発していることで筋緊張型ジストロフィーを早期発見できる場合があるため、多発しているような場合は要注意です!
早めに病院へ行かれることをおススメします。
もし疑わしい場合は、皮膚科の医師に紹介状を書いてもらい、内科受診をされることをおススメします。
石灰化上皮腫の対処法は?
石灰化上皮腫は自然に治ることはありません。
内服薬や外用薬、またレーザー治療などで腫瘍をなくすことはできません。
手術で取り除くことでしか治すことはできないでしょう。
痛みなどの症状がないため、そのまま放っておいても問題はありませんが、大きくなってきたり細菌に感染を起こして赤く腫れあがってしまう場合もあるため、小さいうちに取り除くことをおススメします。
手術をする場合、幼少期は全身麻酔、小学校高学年以上であれば局所麻酔で日帰り手術が可能のようです。
術後はしばらく消毒に通院します。
患部は濡らしてはダメなので、しばらくシャンプーは控えなければならないため、急を要さないようであれば夏場など特に汗をかく時期は避けた方がいいでしょう。