男性の頭皮にシワのようなひだ、頭皮の凸凹は【脳回転状皮膚】かも?
目次
【脳回転状皮膚】とは?
出典:形成外科KC
脳回転状皮膚は、男性に多く見られる疾患です。
男女比15:1とも言われるくらい、男性に多いです。
名前の通り大脳のひだのようなものが頭皮に現れます。
男性の場合、短めの刈り上げなど短髪にされた時に頭皮にシワのようなものが見られることでわかりやすいです。
また髪の濃い部分と薄い部分が発生するため、頭に線がついたように見えます。
このシワのようなひだは並行していて縦、もしくは横につきます。
全国で100人未満しかいない非常にまれな病気と言われています。
が、そのひだの大きさは人により違いますが、今まででこのような頭皮の方には数人出会っているので実際のところはもっと多くいるのではないかと思われます。
10代~発症者が多く、未成年~高齢者まで発症する方がいるようです。
【脳回転状皮膚】の原因は?
出典:千葉大学皮膚科
頭の皮膚が厚くなり,脳のようなシワが出来た状態となる「脳回転状頭皮(Cutis Verticis Gyrata)」は,「肥厚性皮膚骨膜症(Pachydermoperiostosis)」の部分症状としても表れます。ただし,肥厚性皮膚骨膜症の患者さんの全てに「脳回転状頭皮」が見られる訳ではありませんし,逆に「脳回転状頭皮」の患者さんが全て肥厚性皮膚骨膜症である訳でもありません。
2011年,厚生労働省の研究助成(難治性疾患克服研究事業)によって国内で初となる全国調査が実施されています。医療機関から寄せられた43件の回答のうち重複例などを除いた33例について合併症の頻度を調査すると,
<皮膚症状>としては,脂漏・油性光沢(69%),ざ瘡(65.5%),多汗症(34,5%),脂漏性湿疹(16.7%),
関節症状の他にも,貧血(18.2%),発熱(15.6%),胃・十二指腸潰瘍(9.4%),低カリウム血症(9.1%),自律神経症状(9.1%),易疲労性(6.1%),粗毛症(3%),思考力減退(3%),頭蓋骨癒合不全(3%) が見られました。
この様に,多彩な症状が,必ずしも一定の頻度を持たずに見られることから,原因はひとつではないといわれています引用:千葉大学皮膚科
遺伝子変異が関係していると言われています。
血液中や尿中にPEG2(プロスタグランジンE2)という、発熱や骨吸収などに関係した働きがある物質の濃度が高くなっていることが
明らかになっています。
このPEG2の濃度が高くなる原因は次の2つの遺伝子変異が関係していることがわかっています。
●SLCO2A1(PGE2を細胞内に運ぶ輸送蛋白に関係した遺伝子)
●HPGD(PGE2を細胞内で分解する物質に関係した遺伝子)
このどちらの遺伝子の働きが低下や欠損をしてもPGE2が適正に分解されなくなるため、過剰になることがこの症状を起こす原因と言われています。
また統合失調症やてんかんなど脳に関係した疾患を持つ患者に発症する可能性が高いと言われてもいますが、はっきりした原因はわかってはいないようです。
「肥厚性皮膚骨膜症(指定難病)」の患者に診られる部分症に、脳回転状皮膚があるようです。
「肥厚性皮膚骨膜症」には次の3つの特徴があります。
① 太鼓ばち指(手足の爪と骨が結合する部分の皮膚組織が増えるために指先が広くなる)
② 骨膜性骨肥厚(長管骨(腕や脚の部分の細長い骨)の外側の固い部分(骨皮質)が厚くなる)
③ 皮膚肥厚性変化(脳回転状頭皮など。皮膚が厚くなりシワが深くなります。おでこや頭皮に現れます)
【脳回転状皮膚】対処法は?
ヘアスタイルで対処
脳回転状皮膚は頭頂部にシワのようなひだができることが多いため、短髪にすると髪の濃い部分と薄い部分の差が目立ち、ラインが入って見えてしまいます。
トップを多少長めにされることで、目立ちにくくなります。
【脳回転状皮膚】の治療法は?
整形外科で形成的に修復する他、切除するという手術しか治療法はないようです。
溝の部分の頭髪は正常ですが、肥厚した部分(厚くなっている部分)の頭髪は時間の経過とともに抜けてくる場合があるようです。
【脳回転状皮膚】に似ているものは?
太ることにより頭皮に脂肪がつくことで、贅肉や三段腹のように横に溝のようなシワができることがあります。
首や頭皮に脂肪がつくため、特に後頭部に現れることが多いです。
痩せることで首や頭皮の肉や脂肪が落ち、改善できる場合が多いようです。