糖尿病の方が抱えるトラブルの1つに皮膚のかゆみがあります。
糖尿病は血液の循環に影響してしまうため、体の末端部分に皮膚トラブルが起こりやすくなります。
「頭をどんなに良く洗ってもかゆみが治まらない!」
「頭皮には赤みや発疹など何のトラブルも見られないのにかゆい!」
「脂漏性湿疹がいつまでたっても治らない!!」
というような方は、もしかするとこの「糖尿病」が原因かもしれません。
目次
糖尿病とは?
インスリン(血糖値を下げるホルモン)が、うまく膵臓から分泌されず、高血糖になってしまう病気です。
年齢に関係なく、子供から中高年までと幅広い年代に発症します。
抗生労働省の「国民健康・栄養調査」では、糖尿病患者及び糖尿病予備軍を含めると、約2000万人もいると推計されています。
糖尿病になりやすい人とは?
●遺伝(家族や親せきなどの中に糖尿病の方がいる)
●清涼飲料水などの飲みすぎにより必要以上に当分を摂っている
●脂ものや甘いものを好んで食べている
●運動不足
●肥満
●ストレスを抱えている
●妊娠中
●加齢
●肝臓や膵臓の病気を抱えている
●免疫の異常
などがあります。
糖尿病の初期症状とは?
●喉が渇く
●頻尿・多尿
●疲れやすい
●目がかすむ
●尿の泡立ち
●体重の減少
●いびき(睡眠時無呼吸)
などです。
糖尿病と頭皮の関係
髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂、そして成長をしています。
そのための栄養というのは、体を巡っている血液から得ています。
糖尿病になると、血液が固まり血管が詰まるなど、酸素や栄養を全身に送りづらくなるため、当然各臓器だけでなく毛髪や頭皮にも行き届きにくくなるためダメージを受けます。
糖尿病になると「皮膚搔痒症」になりやすくなります。
関連記事:何もなっていないのに頭がかゆい!それは【皮膚搔痒症】が原因かも?
血糖値が高くなると細胞が水分を吸収しにくくなるため、皮膚が乾燥しやすくなります。
また、高血糖になると自律神経障害もおこり汗をかく機能が低下してしまうため、頭皮の皮脂も出にくくなり、それにより乾燥し、かゆみが起こります。
痛いのは我慢出来てもかゆみはなかなか我慢できませんよね。
どうしてもかゆくて頭を掻きむしってしまったり、強くこすってしまうことにより頭皮に傷が出来てしまいます。
傷と言っても目に見える傷もあれば、「不見症(ふけんしょう)」と言って目に見えない傷もあります。
「掻いたくらいじゃ大丈夫では?」
「傷なんて出来ていないし」
そぅ思って実際頭皮を見て傷が出来ていなくても、目に見えない傷から細菌が入り感染症を起こしやすくなります。
頭皮には「皮膚常在菌(ひふじょうざいきん)」と言って、さまざまな菌が棲みついています。
何もなければいても何の問題もない菌達ですが、傷などが出来、そのバランスを崩してしまうことで「脂漏性湿疹」や「帯状疱疹」などさまざまな皮膚トラブルを起こしてしまうのです。
糖尿病を患うと免疫力も低下しやすいため、これらの症状を発症しやすく「帯状疱疹」は、肋間神経痛や顔面の三叉神経に起こりやすいと言われています。
そのため頭皮にできやすく、50歳あたりから増え始め、60~70歳の方に多いと言われています。
が、ストレスや過労などの原因により、現代では若い方も発症しやすいようです。
頭皮のかゆみの対処法は?
●保湿クリームやかゆみ止めを塗布する
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●シャンプーはぬるま湯(38℃前後)で
●ゴシゴシ洗わず、指の腹で優しくマッサージするようにシャンプーする
●紫外線はあまり浴びないように防止や日傘、飲む日焼け止めなどを使用する
頭皮のかゆみその他の原因
●皮膚ダニ
●とびひ
●多汗症
●頭部白癬
など、糖尿病ではなくても、免疫力の低下や菌により湿疹や炎症によりかゆみが起こる場合もあります。
また、頭皮には何もなっていなくても、さまざまな原因によりかゆみを伴う場合もあります。
心配な方は内科や内分泌科を受診しましょう。
簡単な血液検査で糖尿病かどうかがわかります。
いつまでも治らない頭皮のかゆみや、皮膚科で内服薬や外用薬をもらい投薬し続けていても、いつまでも続く脂漏性湿疹や頭皮ニキビなどは、実は「糖尿病が原因だった!」なんていうこともあり得ます。
根本の原因がわからない限り、頭皮トラブルも改善しません。
皮膚科に行っても治らない、原因がわからない頭皮トラブルは、内科を受診し検査をされることをおススメします。