理容店の【サインポール】赤・青・白の色に隠された意味とは?!
街中で回っている「赤・青・白」の理容店を現わす【サインポール】。
目にしたことがない人はいないと思います。
以前は赤は動脈、青は静脈、白は包帯を表していると言われていたサインポールですが、現在は他の意味があったことが判明。
その由来についてご紹介します。
目次
サインポールとは?
知らない人がいないサインポールですが、その呼び名はさまざまです。
世界共通である「バーバーポール」
国内では「サインポール」がメジャーですが、昔は「あめん棒」「有平棒(あるへいぼう)」とも呼ばれていました。
ポルトガルの砂糖菓子「アルヘイ」のひねりを加えた形に似ていることから、このような呼び名で呼ばれていたと言われています。
赤・青・白の色が、らせん状にくるくる回っているもので、主に「理容店」を表しています。
また、回転していることで「営業中」、回転していないと「閉店中」を意味しています。
「チョキちゃん」というような理容業界のゆるキャラも存在します。
出典:全理連
サインポールのルーツとは?
中世ヨーロッパでは、理容師が外科的行為を行っていて、その当時行われていた瀉血(しゃけつ)治療が、そのルーツと言われています。
瀉血とは当時の外科医による病気の治療手段で、体内から血液を抜き取る治療方法です。
医学が発達していなかった当時は、静脈をカミソリで切り、血を流すことで体から悪いものを出し病を鎮めるという治療法が行われていました。
この時の血を採られている患者が長い棒を杖のように立てて握っていたポールが、現在の「サインポール」のルーツと言われています。
採血した血は受け皿に溜まるようになっていましたが、腕を伝わりポールの方へと流れていく血を目立たなくするために、ポールは赤く塗られていました。
当時はそのポールに、貴重だった包帯を45度の角度で干し乾かしていましたが、これが、サインポールの始まりとも言われています。
1540年、イギリスのヘンリー8世により、理容組合と外科医組合が統合され「理容師・外科医組合」が発足しました。
外科医は「赤と白」
理容は「青と白」
それぞれ色の違いで区別し、理容は髪を切ることやヒゲを剃ることは体の一部を切ることであると考えられていたため、「理容外科医」としてカットや顔そりの他、瀉血や抜歯などの業もかねていたと言われています。
サインポールは何故上に上がっていくように見えるの?
じっと見ていると赤や青の線が上に上にと上がっていっているように見えますよね?
あれは、左回りに回転しているためです。
ネジも左に回すとネジの線が上に上がっているように見え、逆に右に回すと下に下がっていくように見えます。
目の錯覚を応用して作られているのです。
美容院にはサインポールはないの?
美容院と理容院のルーツは違います。
理容のルーツは外科医、美容は「髪結い師」です。
そのため、理容のようなサインポールはもともとありませんでした。
昔の女性は髪が長く、髪を結いあげていましたが、女性には断髪令などもなかったため、明治維新後も髪結いのまま、店舗を持たずクシなどの道具を持ち1軒ずつ回りながら仕事をしていたようです。
現在は美容院も店舗を構えて仕事を行っているため、赤・青・白ではないものの、美容院である場所というサインポールの代わりのものを回しているところがあります。
美容と理容に違いはあるの?
美容は女性、理容は男性と思われている方も未だに多いですが、理容師法、美容師法の違いに男女の区別は分別されてはいません。
美容院では美容師の資格を持った者しか働けず、また逆に理容院では理容師の資格を持つ者しか働くことはできません。
そのため、同じ1つの店舗でも入り口を分けたり1階と2階で分けたりして、美容院と理容院の区別を行わなければいけませんでした。
しかし現代の時代に沿うように、同一店舗でもすべての技術者が、理容・美容両方の資格を持つものの場合、理美容院として開設することができるようになり、美容と理容の壁はなくなりつつあるようです。