頭皮ニキビと似ているしこり【外毛根鞘性嚢腫】
目次
頭皮ニキビと似ているしこり
「頭皮にニキビができた」
と、思っていると、なかなか治らず大きくなってきた!
もし、そんな頭皮のニキビが出来ていたら、それは【外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんしょうせいのうしゅ)】かもしれません。
出典:SSクリニック
【外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんしょうのうしゅ)】とは?
アテローム(粉瘤)の親戚で、頭によく生じる嚢腫です。
何らかの原因により、毛穴の上方部分の皮膚がめくれて皮膚の内側に入り込んしまい、皮膚の下に袋状の構造物ができたものです。
なので袋の部分は表面の皮膚と同じ構造になっています。
普通皮膚はターンオーバーしていきますよね。
それが、皮膚の中に密閉されてしまうことで、ターンオーバーにより剥がれた角質が皮膚内に溜まっていってしまい、大きくなっていってしまいます。
出典:日本皮膚科学会
アテロームは発生した場所や症状により数種類に分類されますが、一番多いのは表皮嚢腫。
頭皮に多いのは【外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんせいのうしゅ)】といい、表皮嚢腫よりやや硬いのが特徴です。
まだ小さいうちは皮膚の下に何かあるな?と感じる程度です。
放っておくと、こぶし大まで成長する場合があります。
しこりは「良性の腫瘍」です。
良性とは言え、腫瘍と聞くと=ガン?と、怖い感じがすると思いますが、悪性ではないので大丈夫です。
生活に支障がなければ放っておいても問題はありません。
外毛根鞘性嚢腫ができる原因は?
ニキビ跡や外傷から、発生する場合がありますが、いまだはっきりした原因はわかっていないようです。
イボウイルスが関与していることは判明しています。
通常 痛みもかゆみもありません。
ですが、開口部(へそと呼ばれる黒い点)から、細菌感染の恐れがあり、そこが化膿すると腫れや痛みが出たりします。
外毛根鞘性嚢腫から臭いが!その原因は?
開口部(へそと呼ばれる黒い点)から細菌が侵入し、炎症を起こすと「嫌気性菌」であるプロプリオドフテリウムが増殖します。
嫌気性菌とは
いくつかの嫌気性細菌は、人を含む高等生物に対して極めて危険な毒素(たとえば破傷風毒素やボツリヌス毒素のような)を産生する。
引用:Wikipedia
嫌気性菌はターンオーバーの際、悪臭を放つ物質を生産します。
開口部が閉じていれば臭いはしませんが、開口している場合、内容物が出て来る場合があり、これが臭いの原因となります。
外毛根鞘性脳症と間違えやすい腫瘍
脂肪腫…良性軟部組織腫瘍の一種で、中身は脂肪。
出典:DermIS
外毛根鞘性腫瘍より、プヨプヨしています。
外毛根鞘性腫瘍と同じく良性なので、そのまま放置していても害はありませんが、放っておくと大きくなり、手術で取り出すのが大変になってきます。
小さいうちに皮膚科へ行かれることをおススメします。
脂肪肉腫…脂肪腫に似ている腫瘍。
出典:稲葉クリニック
ですがこれは悪性です。
早めに受診し、組織検査で悪性か良性かの判断をする必要があります。
皮様嚢腫…眉の外側や鼻の付け根、頭皮にできる場合があります。
出典:形成外科KC
生まれつきのもので、良性です。
大きくなると手術が大変になり、傷跡も大きくなります。
さらに皮様嚢腫は骨に癒着してしまっていると手術が困難になるので、いずれも早めに皮膚科へ行かれることをおススメします。
外毛根鞘性嚢腫の改善方法
自然消滅はしません。
まれに悪性に変わる場合もあるようです。
ニキビなどでもそうですが、どうしても気になって自分で中身を押し出したくなってしまいますよね?
しかし、自分で押し出そうとするのは危険です!
何とか自力で治そうとすると炎症をひどくし、再発もしやすくなります。
早めに、まだ小さいうちに受診するかしないかでその後の頭皮の状態が変わってきます。
悪化すると炎症や頭皮トラブル、さらに大きくなると頭皮を圧迫するために血流が悪くなり、脱毛にまで進んでしまう場合があります。
まだ大丈夫、そう思っているうちにどんどん大きくなってしまうかもしれません。
小さいうちに受診すればまだ傷跡も小さくて済みます。
「くりぬき法(ヘソ抜き法)」…局所麻酔をして、腫瘍部分に小さな穴を開け、そこから内容物を絞り出した後、囲んでいた袋を取り出す。
という方法だと5~20分程度の時間で簡単に、しかもきれいに取り除けます。
しかし大きくなると腫瘍に合わせて切開をし、丸ごと取り出さなくてはならず、時間もかかり傷跡の心配も残ります。
ですので、まだ小さいうちに早めに受診されることをおススメします。