なぜ髪色は違う?【生まれつき茶髪】髪色の違いの原因とは?
2017年10月、生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう教諭から注意を受け、黒染めを強要されたことを苦痛に不登校となった高校3年の女生徒が提訴したというニュースがありました。
訴状によると2015年4月の入学時、生徒の母親は学校側に生まれつき髪が茶色いことを説明し、黒染めを強要しないで欲しいことを学校側に求めた。
しかし学校側は染色や脱色を禁じる「生徒心得」を理由とし、「金髪の外国人留学生でも規則では黒染めをさせることになる」とも述べ、女生徒に黒染めをすることを指導したそうです。
女生徒は黒染めに応じていたが、色が褪せるたび染め直すように指導され、2年生になると黒染めが不十分だと授業への出席も禁じたと言います。
修学旅行への参加も認めず2017年の3年生になっても不登校が続いていると言います。
女生徒側の主張
●黒染めで頭皮や頭髪に健康被害が生じた
●身体的特徴を否定され精神的苦痛を受けた
「高校には生徒が健全に発育できる環境を作る義務がある」とし、今回の指導はそれに違反すると訴えている。
目次
なぜ生まれつき髪の色に違いがあるのか?
毛髪は生えてくる前はみんな白です。
そこに持ち合わせているメラニン色素の着色によって、毛髪や皮膚の色に違いが現れます。
髪の色はこのメラニン色素の種類と量によって決まります。
メラニン色素が大きくなったり量が多くなると光を吸収し、髪の毛は黒く見えます。
しかし逆にメラニン色素の量がすくなければ少ないほど光の乱反射によって白く見えます。
メラニン色素には「ユウメラニン」と「フェオメラニン」の2種類があります。
このうちフェオメラニンの量の違いが黒髪や茶髪の色の違いになるのです。
ではなぜこのようにメラニン色素の種類や量に違いがあるのでしょうか?
それはご先祖様(遺伝)が関係しています。
人種によって毛髪の色は違う
人種により毛髪には違いがあります。
私達日本人はモンゴリアンといい毛髪の色は濃褐色~黒褐色の人が多いです。
毛髪の太さは太毛の場合が多く、その切断面は正円(直毛)~楕円形(波状毛)という大きめのクセ毛の方が最も一般的です。
一方欧米人はコーカシアンといい毛髪の色はブロンド~濃褐色の人が多いです。
毛髪の太さは細毛の場合が多く、その切断面は楕円形(波状毛)という大き目のクセで一般的にやわらかい毛髪の方が一般的です。
その他ネグロイド系の人種の場合をエチオピアンといい、毛髪の色は黒褐色~黒色の人が多いです。
毛髪の太さは太毛の場合が多く、その切断面は楕円~扁平形というランダムに縮れたくせ毛、いわゆる縮毛の場合が多いです。
このように人種の違いから髪の色やクセ、太さなど違いが生まれますが、同じ日本人と一言で言ってもさまざまな人種の血が混ざっている場合があり、日本人だからと言ってひとえにその髪色は黒髪であるとは限りません。
髪色で悩んでいる人はたくさんいます
このニュースにあがった女生徒だけでなく、幼少期から髪色で悩んでいる人は今だけに限ったわけでなく、今までもたくさんの方がこのような指導を受けたという悩みを持っている方がいます。
生まれつき色素が薄く中学生当たりになってやっとほんのり黒っぽくなってきた方や、幼少期から人目を気にしてご両親が子供の髪を黒く染めていらっしゃる方もいます。
そういった方は、髪が伸びてくると髪色が逆転し、根元が茶色で毛先が黒という一種異様な髪色になってしまいます。
それでも人目は気になるものですし、日本人特有の「みんなと同じ」という安心感があるのだと思います。
先生や学校側もその「みんなと同じ」を規律としてとらえ指導されるのもある面では仕方のないことかもしれませんが、本来の自分の姿をかえさせてまでしなければならない規律なのでしょうか?
この女生徒のような場合は、受験期からうちの学校は元の髪色が茶色でも黒色に染めなければならないという規律があるという旨を大々的に受験生や中学校に事前に伝えておくべきではなかったのでしょうか?
人間の個が光る時代、何を良しとするのか判決に期待です。
生まれつき色素のない病気【アルビノ】
世の中には生まれつき色素の少ない「アルビノ(先天性白皮症)」という症状の人もいます。
色素が少ない、あるいは全くないことにより、肌も髪も白く瞳の色もグレーやモスグリーンなどになります。
このような場合でも、学校は黒く染めることを指導するのでしょうか?