ウィッグの人毛はどうやって手に入れているの?【医療用ウィッグ】
ウィッグにはおしゃれ用や医療用のものがあります。
そして、ポリエチレンなどの化学繊維で出来ている「人工毛」や「人毛」があります。
しかしここで「この人毛って誰の?」
と、疑問に思ったことはありませんか?
今回はこのウイッグなどに使われている人毛についてご紹介したいと思います。
目次
人毛はどうやって手に入れているの?
昔は日本でもウィッグは数多く製造されていました。
理美容院でカットされた髪を回収し、ウィッグとして生まれ変わらせているメーカーもありました。
※現在では理美容院でカットされた髪は事業用ごみとして廃棄されています。
しかし現在ではその拠点は海外に移されています。
人件費の問題はもちろんですが、ヘアカラーの普及により、黒髪の日本人が減ってしまったことなどにより人毛が手に入りにくくなったことなどが主な原因だと言われています。
現在一般の人達が普通に手に入れている人毛のウィッグのほとんどが中国製のものが多く、中国で製造されています。
中国では昔から「長く伸ばした髪を売ってお金にする」という習慣があり、原料の人毛が手に入れやすく、また髪質も太く加工しやすいことなどから、現在では約9割が中国人の髪が使われていると言われています。
ヘアカラーされているウィッグ
ウィッグは黒髪だけではなく、茶色やブロンドなど様々な色の人毛ウィッグがありますよね?
これらは、もともと茶色やブロンドの色の人毛を原料に使っているのではなく、黒髪を脱色や加工をして、色を変化させています。
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医療用とおしゃれ用の違い
ウィッグにはおしゃれ用と医療用のものがありますが、その違いに定義はありません。
しいて言うなら、医療用は抗がん剤治療の副作用や、円形脱毛症、外傷などにより薄くなってしまったり、生えてこなくなってしまった部分をカバーするためのものです。
一方おしゃれ用はもともと生えていることを前提として造られているということです。
そのため医療用ウィッグでは、肌への刺激を極力少ないものが使われていたり、機能性や通気性、軽量化などがおしゃれ用に作られているもの以上に考慮され製造されているということです。
そのため、医療用のものは高額になりやすく、実は保険もききません。
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健康保険や高額医療費といった公的保険での適用はなく、医療費控除の対象としても認められていないのです。
参照:国税庁HP
しかし、医療用ウィッグの購入費用を負担しているがん保険もあるようなので、医療用ウィッグの購入を検討されている場合は、まずご自身が加入されている保険会社へのお問い合わせをされてみることをおススメします。
ヘアドネーション
「ヘアドネーション」とは、現在さまざまな団体や賛同される美容院で、先天性無毛症や小児がんなど、何らかのケガや病気により髪を失った子供のために髪を寄付する活動をしています。
ヘアウィッグは、人工のものではどうしても不自然さが出てしまうため、人毛100%の髪で作るウィッグは貴重なものです。
女優の水野美紀さんや、ベッキー、柴崎コウさん、ダレノガレ明美さん、片瀬那奈さんなど、たくさんの方々がこの活動に協力しています。
次の条件を満たしていればヘアドネーションとして寄付ができます。
●長さ31cm以上。
●性別は不問。
●縮毛矯正やヘアカラー、パーマなどをしていてもOK。
切った髪の毛は専用の工場で加工され、小児用ヘアウィッグへと生まれ変わります。
現在多くの理美容師さんにより、このような社会貢献活動が盛んに行われています。
自毛を使ったロングヘアは作れない?
より自然に見せるため、自分の毛を取っておき、オーダーメイドでロングヘアを作ればいいのでは?
と、考える方もいると思いますが、実はそんな簡単なものではありません。
自毛によるオーダーメイドのロングヘアを作ろうとした場合、おしゃれ用の太く加工しやすい髪とは違い、もろいため、加工時の染料消毒などにより先端のほとんどが切れてしまうため、人毛100%の医療用ウィッグでのロングヘアは作ることができません。
平安時代の女性もつけ毛をつけていた?!
平安時代の宮廷女性は、百人一首にもあるように髪の長い人ばかりですよね?
しかも引きずるような長い髪。
実は人間の髪は寿命があり、そこまでは伸びないと言われています。
いいところ1m前後。
なので、そぅ。
昔の女性は髢(かもじ・髪文字)と言う、現代のエクステのような足し毛が使われていたそうです。
宮中仕えのストレスで抜け毛や薄毛があったことから、このような足し毛は宮中女性の身だしなみだったようです。
「髪捻(かずらひねり)」という女性のかつらを作る職人さんもいたらしいのですが…それは女性の落ちている毛(死体などから髪を切り取っていた)を集めて作っていたそうです。
現代でも、人毛は誰かの髪?!と思うと、ちょっと気がひけるかもしれませんが、昔の女性は死体の髪をつけていたのかと思うと、ちょっとゾッとしますよね。