頭のかゆみは【白髪が生える前兆?】白髪とかゆみの関係とは?
「頭がかゆい~!!」
そぅ思って髪をかき分けてみると、白髪が生えていた!
なんていうことありませんか?
頭皮には赤みも湿疹も何もなっていないのに、頭がかゆい!
そんなかゆみの原因の1つに「白髪」が関係しています。
白髪とかゆみ、一見繋がらないこの2つに何か関係はあるのでしょうか?
目次
白髪は健康毛!
そもそも白髪とは、どういうものだと思いますか?
白髪と言うと年齢を重ねると出てくる方が多いことから「白髪=老い」を連想させますよね。
黒髪になることが出来なかった髪なのだから、当然中の色も抜けているわけで、「中身はスカスカの弱った髪」と、言うようなことを考えがちですが、実は白髪は黒髪より強く健康な髪の毛です。
白髪になるのはなぜ?
毛髪をつくっている毛母細胞と同じ所に、毛色素細胞というメラニン色素をつくり、毛母細胞に送り込んで、毛髪に黒い色を与えている細胞があります。
この細胞の中には、はじめから色素があるのではなく、無色透明のアミノ酸であるチロシンが含まれていて、これがチロシナーゼという酵素の働きで、DOPA→DOPAキノン→DOPAクローム→インドール5.6キノン→メラニンと変化して、日本人の黒い髪の毛を作っています。
引用:誰もが知りたい毛髪のひみつ(八木原 陽一著)
ちょっと難しい言葉でわかりにくいかと思いますが、要するに髪は生えてくる前はみんな白髪なのです。
それに、チロシンという物質により、黒く着色されて生えてくるという感じです。
白髪になる原因はまだ十分に解明されてはいませんが、白髪はこの着色がうまく行われないことにより、そのまま白髪として生えてくるためなのです。
なので白髪は健康毛と言えます。
白髪は太くキューティクルが多い!
そんな健康毛である白髪。
妙に太いと感じたことはありませんか?
「目立たなくてもいいのに白髪だけぴょ~ん!と立ってくる」
なんて感じたことはありませんか?
それは、白髪が健康で太いためです。
通常髪には「ヘアサイクル」といって、成長期→退行期→休止期を繰り返しています。
この成長期が黒髪より白髪の方が長いため、白髪の方が太くなるようです。
また、白髪は取り込まれなかったメラニンの代わりに入っているケラチンタンパク質がメラニンに比べ撥水性が高いため、硬い髪も多いようです。
さらに白髪はキューティクルも多い!
通常キューティクルの重なりは
軟毛・細毛 | 2~3枚 |
普通毛 | 4~6枚 |
硬毛・太毛 | 7~10枚 |
とも言われています。
白髪は太毛のためキューティクルの重なりも多くなりやすいようです。
白髪の成長速度は速い!
2004年、資生堂×北里大学医学部皮膚科の勝岡教授らによる共同研究によると、日本人37名の毛髪サンプル32000本を採取し調べた結果、白髪の成長速度は黒髪より早いという結果が出ました。
ただの思いこみではなかったんですね。
白髪は扁平になりやすい!
出典:minnano
通常髪の毛の断面は円形です。
しかし白髪の断面は扁平だというのです。
それは、白髪になる原因として老化や頭皮のコリなどによる血行不良による場合があり、白髪が生えてくる毛穴が変形している事があるためではないかと言われています。
また、白髪はメラニン色素が入っていないため、内部組織の強弱がはっきり出てしまい、くせ毛のように扁平な髪の断面になりやすいようです。
このように白髪は健康毛で太いく硬いことがわかります。
また、キューティクルの重なりも多く扁平の形状のため、頭皮から出てくる際、周りの毛穴を刺激するためかゆみを生じてしまうようです。
さらに…
白髪はスクワレンの総量が少ない!
2015年、美容院専売メーカーのミルボンが日本人の白髪と黒髪の違いについての研究をし、次のようなことが発表されました。
これまで白髪はカラー剤をはじきやすいため、脂質の量が多いのではないかという説もありました。
しかしながら今回の分析の結果、脂質の総量は黒髪より白髪の方が少なくなっていました。
特にスクワレンは白髪では顕著に少ないことがわかりました。
引用:(株)ミルボン 日本人女性の白髪と黒髪に含まれる脂質量の違いを始めて発見~白髪の最新研究~
これまで「同一人物であっても黒髪と白髪を比較すると、白髪の方が脂質量が多く、また、脂質が多いと親水性が低くなることからカラーなどをしても白髪ははじきやすく染まりにくい」と言うことが言われてきたので、このミルボンの研究報告にはびっくりですね。
ですがスクワレンには次のような効果があります。
●紫外線(UV派)による皮膚DNAのダメージを抑える効果
●免疫細胞に多く分布し、生体防衛力を高め免疫の調節する効果
●弱っている細胞の回復や傷ついた細胞の生まれ変わり促進効果
●鎮静効果(スクワレンには副腎皮質ホルモンに変わりプロスタグランディンなどの働きを抑える効果があります)
などです。
このように肌ダメージを抑える効果などが少なくなり、免疫のバランスが崩れ、白髪が生える際敏感になり、かゆみを伴うのではないかとも考えられます。
白髪が生える時かゆみ物質が放出される!
毛髪研究をされている島根大学生物資源科学部の松崎貴准教授によると
「白髪が生える前に皮膚に何らかの炎症が生じると肥満細胞であるプロスタグランジンやヒスタミンなどのかゆみ物質が放出される」と、述べられています。
これは免疫のバランスが崩れてしまい、免疫細胞が自分の色素細胞を攻撃する自己免疫状態になっているためのようです。
こうした炎症性の症状とは関係なく、老化に伴う色素細胞の枯渇や不活性化で白髪になる場合には頭皮がかゆくなることはない。
シャンプーのしすぎで皮脂が必要以上に洗い流されたり、シャンプー時に表皮が傷ついたりすると、そこから刺激物質が体内に侵入し、これが免疫細胞に攻撃され炎症反応が起こることがあるようです。
そのためかゆみが出てくるんですね。
まとめ
まとめると、かゆみの原因は次のようなことが言えるのではないでしょうか?
●白髪は黒髪よりも成長速度が早く太いため、周りの毛穴を刺激してしまうのでかゆみを感じてしまう
●毛穴に刺激が起きると自己免疫が働くため炎症がおきてしまう
●炎症が起きるとプロスタグランジンなどのかゆみ物質が放出されてしまう
●スクワレンの量が減ってしまうために鎮静作用が減ってしまう
要するに白髪の太さやシャンプーなどの刺激により自己免疫が働いて炎症が起き、プロスタグランジンなどのかゆみ物質を出すため、白髪が生えてきた時にかゆみを生じるということのようです。
しかも鎮静作用のあるスクワレンが減少しているとなるとなおさらですよね。
また、黒くて太い髪が生えて来てもスクワレンの量が多いために鎮静作用が働いているからかゆくない…と言うことも考えられると思われます。
逆に考えると、かゆい=白髪の場合、それは老化などによるのもではないため、もしシャンプー時などの刺激が与えられず炎症を治めることが出来れば黒髪が再生できる可能性があるということです。
免疫系のバランスが崩れると治りづらいとも言われていますが、黒髪が生えてくる可能性があります。
かゆみで気づく白髪の前兆は、黒髪復活の可能性とも見ていいのではないでしょうか?